元勇者の冒険の書

そろそろ冒険に出たいけど、町人に甘んじている元勇者の冒険の書です。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『せまりくる誘惑』

たおやかな自由市民 : そういえば、あなた、ご自分のお仕事はよろしかったの……?

たおやかな自由市民 : あら、街を見学中だったのね!
だったら、「キャバレー・ビーハイヴ」にも行くといいわ。
たくさんの人が集まって、とってもにぎやかなの。

たおやかな自由市民 : いつもどおりなら、「ティスタ・バイ」という女性が、
入口近くの席に座っているはずよ。
彼女なら、いろいろな話をしてくれるはず……あなた次第でね!

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ティスタ・バイ : ようこそ、キャバレー・ビーハイヴへ。
優雅な日常に、蜂のひと刺しのような刺激はいかがかな?

ティスタ・バイ : 君、新入りだろう?
わかるよ、まだ空気に馴染んでない。
……そういうの、とてもそそられるね。

ティスタ・バイ : どうだろう、私とカードでひと勝負。
どちらの手札の数が大きいかを当てる、
ごく簡単な「ハイ・アンド・ロー」さ。

ティスタ・バイ : 君が勝ったら、なんでもひとつ、お願いを聞くよ?
気が向いたら是非……声をかけてほしいな。

ティスタ・バイ : 私と「ハイ・アンド・ロー」の勝負をしてくれるのかい?

ティスタ・バイ : いいね、それじゃあはじめようか……。

ティスタ・バイ : それじゃ、3枚ずつ手札を配ろう。
君はそのうち1枚を開示、私は2枚開示する。

ティスタ・バイ : さて……。
君の手札の合計は、私の手札の合計より、
「低い」と思う? 「高い」と思う?

ティスタ・バイ : へぇ、「高い」と思うんだね。
それじゃあ、答えを見てみようか。

ティスタ・バイ : 私の手札の合計は「8」だ。
さて、君の手札の合計は……?

ティスタ・バイ : 「21」だね。

ティスタ・バイ : おめでとう、君の予想どおりだ。

ティスタ・バイ : 君の勝ち……にしてもいいんだけれど、
せっかくだ、もう1戦くらい遊んでくれないかい?
よければまた、声をかけてよ。

ティスタ・バイ : もう一度、私と「ハイ・アンド・ロー」で遊んでくれないかな。
頼むよ、かわいい新入りクン。

ティスタ・バイ : ありがとう、それじゃあ再戦といこうか……。

ティスタ・バイ : それじゃ、3枚ずつ手札を配ろう。
君はそのうち1枚を開示、私は2枚開示する。

ティスタ・バイ : さて……。
君の手札の合計は、私の手札の合計より、
「低い」と思う? 「高い」と思う?

ティスタ・バイ : へぇ、「高い」と思うんだね。
それじゃあ、答えを見てみようか。

ティスタ・バイ : 私の手札の合計は「7」だ。
さて、君の手札の合計は……?

ティスタ・バイ : 「16」だね。

ティスタ・バイ : おっと……君の予想どおりみたいだね。

ティスタ・バイ : おめでとう、今度こそ君の勝ちだ。
約束どおり、なんでもひとつ、お願いを聞くよ。

ティスタ・バイ : それで、何がお望みかな?
身分なんて気にしなくていいから、素直に言ってよ。

ティスタ・バイ : ……新入りだから、この街について知りたい?
まあいいけれど……ずいぶんとかわいいお願いだね。

ティスタ・バイ : ユールモアのもっとも素晴らしい点は、
なんといっても、罪喰いに襲われないってところかな。

ティスタ・バイ : 元首のドン・ヴァウスリーには、生まれながら、
「罪喰いを従わせる能力」が備わっているんだって。
それで、この街は戦う必要がなくなったってわけさ。

ティスタ・バイ : ……という話でよかったかな?
もっと勉強したいなら、あそこで酔ってる「アサーン」なんか、
得意げに語ってくれると思うよ。

アサーン : うん……?
この街について教えてほしいって?

アサーン : あっはっは、これまたずいぶん性急だなぁ!
教えるのは構わないけど、楽しく歓談するためには、
もっと余裕を持たないと!

アサーン : そうだ、一度ステージの上で「踊って」おいでよ。
話は身も心もほぐれてからだ!

アサーン : ヒュウヒュウ!
なかなかやるじゃないか!

アサーン : いやぁ、いいね、君の踊り! 実に個性的だ!
ここのステージはいつでも乱入歓迎だから、
気が向いたら、また踊ってくれよ?

アサーン : それで……そう、この街についてだったね。
今でこそ平和なユールモアも、先代の元首のころまでは、
罪喰いと戦っていたことはご存知かな?

アサーン : ユールモア軍といえば、最強の代名詞みたいなものだけど、
その力をもってしても、罪喰いとの戦いでは甚大な被害が出た。

アサーン : 変わったのは、20年前……
先代のご子息、ヴァウスリー様が元首になってからさ!

アサーン : 彼の力によって、罪喰いは敵ではなくなった。
それどころか、ドン・ヴァウスリーの庇護下で生きる、
同胞になったといっても過言じゃないね。

アサーン : よその地域は、まだ戦いを続けているらしいが……
本当に愚かだとしか思えないよ。
ドン・ヴァウスリー万歳!

ドゥリア・チャイ : あら助手ちゃん、おかえりなさい。
もう見学しおわってしまったのかしら?

ドゥリア・チャイ : 時間は気にせず、もっとゆっくり見てきてもいいのよ。
アルフィノちゃんの作業も、まだはじまっていないことだし。

チャイ・ヌズ : ああ、心配するな。
あの画家なら、間もなく戻ってくるはずだ。

チャイ・ヌズ : ……ほらな。

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アルフィノ : いただいた服に着替えて参りました。
こちらでよろしいでしょうか……?

ドゥリア・チャイ : あらあら、まあまあ!
さっき試着したお洋服も素敵だったけれど、
これも凛々しくていいわぁ~!

ドゥリア・チャイ : アルフィノちゃんったら、本当にかわいいんだから!
何を着てもらうか、困っちゃう~!

>楽しそうな仕事デスネ

チャイ・ヌズ : まったくだ!
そいつは画家であって、モデルじゃないんだ。
そろそろ絵を描きはじめてもらわないと困る!

ドゥリア・チャイ : そうなの……?
確かに絵を描いてもらうのは大好きだけれど、
今だって、こんなに楽しいのに……。

チャイ・ヌズ : いや、その、ダメというわけでは…………

チャイ・ヌズ : か……描く準備もさせてやるんだぞ……。
仕事ができなくて気をもむのは、そいつなんだから……。

ドゥリア・チャイ : フフッ、はぁ~い!
次は一緒に宝石を選んでくださいね、あなた!

ドゥリア・チャイ : アルフィノちゃんには、もっとフリフリの服も似合うけれど……
本人が、できるだけ旅装みたいなほうが、
慣れているからいいって言うの。

ドゥリア・チャイ : だからあれを選んだのよ。
街中ではあまり見かけないスタイルだから、とっても鮮烈ね!

チャイ・ヌズ : どうにかして、画家が仕事に取り掛かれるようにせねば……
結婚記念日あわせの夫婦の肖像画が、間に合わなくなる!

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