元勇者の冒険の書

そろそろ冒険に出たいけど、町人に甘んじている元勇者の冒険の書です。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『最後の歓楽都市』

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アルフィノ : ついに、この街に……。

青い衣の道化師 : こうして真下から見ると、大迫力でしょ!

赤い衣の道化師 : ようこそ、ボクらのユールモアへ!
どうかな? 感動した? 泣いてもいいよ?
えっ、泣かない? そっかー。

赤い衣の道化師 : ……何はともあれ、まずは移住の手続きからだ!
話は通しておいてあげるから、
キミたちはまっすぐ進んで、ジョイアスホールへ。

赤い衣の道化師 : 通路の左手側、一番手前の部屋が「入国審査室」さ。
そこで名前と仕事を言えば、あとのことを教えてくれるよ。

赤い衣の道化師 : ああそうそう、この道の両脇にいる人たちは、
ゲートタウンの民と同じ……
建物の中に入る権利を、まだ持ってないんだ。

赤い衣の道化師 : 余計なやっかみを受けたくなかったら、
まっすぐにホールを目指すことだね。
……それじゃ、輝かしき楽園暮らしを!

アルフィノ : ……ひとまずは、既定の流れに従ってみよう。
ええと、「入国審査室」だったね。


入国審査室の役人 : ユールモアへようこそ、幸運な方々。
お名前をいただいても?

アルフィノ : 画家のアルフィノと、
助手のCloです。

入国審査室の役人 : 承知しました。
お話は伺っておりますので、審査は通過といたします。
続けて、登録用の書類を作成いたしますね。

入国審査室の役人 : ここユールモアには、
元首によって認可された「自由市民」と、
彼らのために働く「労役市民」がいます。

入国審査室の役人 : あなた方は労役市民として登録され、
まず、画家の求人を出した自由市民の方に、
お仕えすることになります。

入国審査室の役人 : もし任を解かれるようなことになれば、別の方にお仕えするか、
街全体のために働くことになるでしょう。

アルフィノ : ……わかりました。
ちなみに、画家をご所望になられたのは、
どのようなお方なのですか?

入国審査室の役人 : ミステル族の名士、チャイ・ヌズ様と、
その奥様であるドゥリア・チャイ様ですね。
皆さん「チャイ夫妻」とお呼びになっていますよ。

入国審査室の役人 : おふたりとも優しい方ですが、あなた自身の未来のためにも、
粗相のないようにお願いしますね。

入国審査室の役人 : それでは、そのままで少々お待ちを。

入国審査室の役人 : お待たせいたしました。
こちらが、おふたりの登録用の書類です。

入国審査室の役人 : その書類を、隣の部屋……
「新民登録室」の受付に提出してください。
印がもらえれば、登録完了です。

入国審査室の役人 : おふたりにも、輝かしき楽園の暮らしが与えられんことを!

新民登録室の役人 : はいはい、「新民登録室」はこちらですよん。
書類は持ってきたかな?

新民登録室の役人 : 画家のアルフィノと、助手のClo。
雇用主は、チャイ夫妻ね……。

新民登録室の役人 : りょーかいりょーかい!
特に問題もなさそうなので、印を押すね。

新民登録室の役人 : じゃあ、さっそく夫妻のところに…………

新民登録室の役人 : うん……?
おやおやおやぁ……?

新民登録室の役人 : あなたたち、なんか、ちょっと…………変なにおい!

新民登録室の役人 : うへぇー……いったいどこ歩いてきたのさ?
嗅ぎなれない土地のにおいと……そこはかとない獣臭……!
まるで歴戦の賞金稼ぎみたい!

新民登録室の役人 : もー、隣に「洗民室」っていうシャワールームがあるから、
すみずみまでゴシゴシ洗い流してきてよ。
どのシャワーを使ってくれてもいいからね。

新民登録室の役人 : それから、はい、「労役市民用の香水」だよ。
洗い終わった自分の体に、シャバシャバっとかけること!

新民登録室の役人 : それがすんだら、チャイ夫妻のところに行っていいよ。
詳しい場所は、階段前の「コルネン」って番兵に聞いてね。

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アルフィノ : …………そんなに、におうだろうか。

アルフィノ : この中でシャワーを……?
こ、個室ではないんだね……。

アルフィノ : あ、ああ……。
君はもう終わったのか……そうか……。

アルフィノ : ええと、その……いいのだろうか……?
こんな……個室でもない、開放的な場所でシャワーなど……。

エスティニアンが呆れるぞ

アルフィノ : …………!
い、急いで行ってくる!

アルフィノ : ふぅ……。
待たせたね、こちらも準備は万全だ。
とてもさっぱりした気がするよ。

アルフィノ : さあ、チャイ夫妻に会いに行こう。
場所は、番兵の「コルネン」に聞けばいいのだったね。

ジョイスフォート : 商人じゃない労役市民が、交易倉庫になんの用だ?
もし、ドンのための交易品にお手つきをしようものなら……
背筋も凍るような恐ろしい目に合うぜ。

アイレナ : ちょっと、貴重な交易品に触れないでおくれよ?
ここに置いてある品々は、みーんな、
あたしたち労役市民には縁のないものさ。

テマニー : こちらでは、
自由市民の方々に需要のある品を、開示しております。
納品の報酬は、メオルや自由市民の不用品でお支払いします。

チェイ・ラッド : 自由市民の不用品がほしいなら、
代わりに、それなりのものを持ってきてもらわないと。
いま需要があるのは……果実や干し肉、真珠なんかかな。

ファサーナ : 労役市民の中には読み書きができない者もおりますので……
わたくしが、お手伝いさせていただいております。

ファサーナ : 読み書きや言葉遣いは、前の主人が教えてくださいました。
とてもお優しい方でしたが、一足先に天へ召され……。
今はこうして、都市へお仕えしているのです。

ユーリッグ : この先は、労役市民の登録室だよ。
召使いによさそうな者がいたら、青田買いするのが、
賢い自由市民ってものさ。

ララスムド : ごくたまにだが……
ユールモアに招かれたと偽って、入ってくる者たちもいるからな。
この都市の平穏のために、警備は怠れん。

ドッダーナ : ドンの寛大な御心のおかげで、私たち労役市民は、
この都市の運営という大役の一端を、
担わせていただいているのです。

入国審査室の役人 : ユールモアへようこそ、幸運な方々。
……おや、あなたに審査は必要ではありませんよ?

新民登録室の役人 : あっ、いい匂い~!

チュー・ズム : 俺もついに、ユールモア市民になれるんだ……!
やべぇよ、嬉しすぎて震えがとまんねぇ……!

コルネン : 何、チャイ夫妻に雇われただと?
ふむ……まずもって、この建物には、
大きく分けて3つの層があるのだ。

コルネン : 今いるのが「樹根の層」。
その上が、軍の司令本部がある「樹幹の層」。
さらに上が、自由市民がお過ごしになる「樹梢の層」だ。

コルネン : チャイ夫妻は、「樹梢の層」にある、
「グランドデイム・パーラー」にいらっしゃるはずだ。
ともかく、階段を一番上まで登ってみることだな!

チャイ・ヌズ : うん……?
何だ、お前は……。

ドゥリア・チャイ : あら、あなたは……?

アルフィノ : お初にお目にかかります。
画家をお探しのチャイ夫妻でいらっしゃいますか?

チャイ・ヌズ : おお、ではお前たちが新しい……

ドゥリア・チャイ : まあまあまあ!
なんってかわいい男の子なの!

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ドゥリア・チャイ : ふわふわの髪に、お上品なお顔立ち……
それに、なんだかお花のいい香りもするわぁ~!

ドゥリア・チャイ : あなた!
わたし、この子が一目で気に入っちゃった!
きっと……ううん、絶対に素敵な絵を描いてくれるわ!

チャイ・ヌズ : う、うむ……。
先日手放した、あの下手で陰気な画家よりは、
マシだといいんだが……。

ドゥリア・チャイ : それじゃあ、改めてよろしくね。
ええと……

アルフィノ : アルフィノと申します、奥様、旦那様。
こちらの助手ともども、よろしくお願いいたします。

チャイ・ヌズ : ふむ……。
雇われる際に家族を伴ってくる奴はいるが、
その年で助手を連れているとは、珍しいな?

アルフィノ : 実際、家族のようなものです。
血こそ繋がってはおりませんが、
私がつらいときには、必ずそばにいてくれました。

アルフィノ : そして、誰よりも私の絵を理解してくれています。
彼とともに仕上げてこそ、
私の絵は、ご夫妻にふさわしいものとなるでしょう。

アルフィノ : ……しかし、絵の描き始めにかぎれば、働くべきは私だけです。

アルフィノ : そこで、その……もしよろしければ、
助手には街の見学をお許しいただけないでしょうか?

アルフィノ : これまで私を支えてくれた礼に、
憧れのユールモアを、いち早く見せてやりたいのです。

ドゥリア・チャイ : まあ、なんていい子たちなんでしょう!
そういうことなら、存分に見学をしてらっしゃいな!

ドゥリア・チャイ : ……いいわよね、あなた?
チャイ・ヌズ : あ、ああ……まあ……お前がそう言うなら……。