元勇者の冒険の書

そろそろ冒険に出たいけど、町人に甘んじている元勇者の冒険の書です。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『たゆたう暮らし』

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>ユールモアのことを嫌ってる?

アルフィノ : どうだろう……。
まだ内部にも入っていないし、よくわからないな。
わからないからこそ、不気味に感じているのは確かだけれどね。

アルフィノ : どんなやりかたであれ、
この地で生きている民が幸せなのであれば、
私はきっと、納得できるだろう。

アルフィノ : ただ、さっき君が助けたご婦人のように……
ユールモアに依存していない民は、放置されているも同然だ。

アルフィノ : それでは生きていけず、人は結局、都市に群がる。
コルシア島のあちこちに、捨てられた村や畑が増えていく。
領地は、荒廃していく一方だ……。

アルフィノ : ……ユールモアの提示している道は、
果たして本当に民の幸せに繋がっているのか。

アルフィノ : すべてを丸く収める方法なんてないとわかっていても、
それを考えずにはいられなかったよ。
貧しい村々を回り、ここで喜んで買われていく人を見ながらね。

アルフィノ : その疑問に答えを出し、今後の付き合い方を決めるためには、
やはりユールモアに入ってみるべきだと思うんだ。

アルフィノ : 君が来てくれたのが、今でよかったよ。
ちょうど、あの街に入るために進めてきた準備が、
実を結びそうなんだ。

アルフィノ : この島の近海には、
「オンド族」と呼ばれる種族が暮らしている。
原初世界でいう、サハギン族さ。

アルフィノ : 彼らは普段、海底でひっそりと過ごしていて、
あまり人と交流を持っていない。

アルフィノ : ……が、そういうところにこそ商機があると、
偉大なるタタル先生から熱く教えられていてね。
私は、オンド族と接触してみたんだよ。

アルフィノ : すると、実は彼らが、地上でとれる農作物……
特に果物なんかを、嗜好品として求めていることがわかった。
それを提供できるのなら、真珠をやろうとも言われたよ。

アルフィノ : そこで、彼らと取引をして真珠を手に入れ、
それを実績として自分を売り込めば……
ユールモアにも、興味を持たれるのではと考えたんだ。

アルフィノ : ふふ……私だって、いつまでも、
「刀を言い値で買ったアルフィノさん」ではないのさ!

アルフィノ : オンド族との取引は、間もなくだ。
農作物を用意して、海岸で彼らと会うことになっている。

アルフィノ : ということで、準備にとりかかりたいのだが……
君にも来てもらっていいだろうか?

アルフィノ : ありがとう、心強いよ。

アルフィノ : 農作物は、ここから北西にある「ライト村」にいる、
「モシャ・モア」さんが提供してくれることになっている。
さっそく行ってみよう。

モシャ・モア : あれ、見かけない人だね?
アタシに何かご用?

アルフィノ : モシャ・モアさん、彼は私の仲間です。
先日お支払いした分の、果実を受け取りに来ました。

モシャ・モア : あれれ……?
たった今、あなたの使いだって男の子が来たから、
頼まれてた分は渡したんだけど……。

アルフィノ : 私の使い……!?
いいや、この仕事は誰にも頼んでいない……!

モシャ・モア : うーん、濃い青髪を短く刈った、ミステル族の子だったよ。
アルフィノの特徴をちゃんと言えてたから、
アタシ、信じちゃった。

アルフィノ : 濃い青髪の……心当たりがないな。
さっきの話を聞かれでもしたのだろうか……。

アルフィノ : 探そう、たった今ここへ来たならまだ近くにいるはずだ。
君はまず、村の南側を頼む。
見晴らしのいいところから、見渡してみてくれ!

アルフィノ : Clotho'a!
こっちはどうだい!?

アルフィノ : っ……了解、捕まえよう!

アルフィノ : 見つけたぞ!

アルフィノ : 私の遣いをかたって作物を持ち出したのは、君だね?
あれは大事な取引に使うんだ……返してくれないか。

青髪のミステル族 : あ……う…………

青髪のミステル族 : 許してください……!
俺、どうしてもユールモアに入りたかったんです!

青髪のミステル族 : 身内はいないし、ここでできた友達は、
みんな選ばれて行ってしまいました……。

青髪のミステル族 : それ以来、周りとはあんまり仲良くなれなくて……
配給のメオルすら、残りカスしか回ってこないんだ。

青髪のミステル族 : 何をやっても、みんなは俺を推薦してくれないし、
おなかもすいて……たまらなく、みじめで……。

青髪のミステル族 : それで、このまま死ぬくらいなら、
機会を盗んででも入ってやろうって、思ったんです……。

アルフィノ : ……君、名前は?

カイ・シル : カイ・シルです……。

アルフィノ : では、カイ・シル。
ユールモアに入る以外の選択肢は、ないのかい……?

アルフィノ : 例えば、クリスタリウムに行くのはどうだろうか。
あそこなら、都市に養ってはもらえずとも、
働いた分の見返りは、きちんともらえるはずだ。

カイ・シル : ダメなんです……ユールモアじゃなきゃ……。

カイ・シル : 俺の友達がいるのは、あの街だから……。
いつかみんなで、あの豪華な都市で暮らすんだって、
約束したんです……。

アルフィノ : ……オンド族との取引場所は、クレイヴ灯台だ。
それから、私のやろうとしてた商売や、
ユールモアに売り込む方法について、説明しておくよ。

カイ・シル : ゆ、譲ってくれるんですか……!?

アルフィノ : あくまで、きっかけを貸すだけさ。
そこから先は、君自身ががんばらなくては、
成し遂げられないよ。

カイ・シル : は、はい……ッ!
ありがとうございます!

アルフィノ : 私たちにとっては単なる調査……機会を改めることもできる。
しかし、彼にとっては、人生をかけた一大事だ。

アルフィノ : 譲ったことに後悔はしていないし、彼の成功も祈っている。
それでも……良い判断では、なかったかもしれないな。

アルフィノ : 一刻も早く、この世界を救うべきなら……
そうしないと、多くの人や、君が死んでしまうなら。
彼を押しのけてでも、進むべきだったのかもしれない。

アルフィノ : そうだろうか……。
エスティニアン殿がいたら、相変わらず甘い坊ちゃんだと、
たしなめられていたに違いない。

アルフィノ : だが、ありがとう。
結果的には、どちらも幸せになれるよう、またがんばるよ。

アルフィノ : では、ひとまずライト村に戻ろうか。

アルフィノ : あれは……?

アルフィノ : かなり遠いが……人が、倒れている……!?

アルフィノ : 何かあったのかもしれない。
急いで助けに行こう!

アルフィノ : よし、ひとまず応急処置はできたが……。

弱り切った遭難者 : う、うぅ……。
お許し……お許しを…………。

アルフィノ : おちついて、ゆっくり息をしてください。
大丈夫……危険はありませんから。

アルフィノ : 彼の体は、ひどく冷えている。
私がたき火を起こすから、
君はそのまま看ていてくれるだろうか?

弱り切った遭難者 : 本当に、生きているのが奇跡のようです……。
助けてくださって、ありがとうございました……。

アルフィノ : あなたは……?
いったいなぜ、こんなことに?

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トリストル : ……トリストルと申します。
ユールモアで、画家として雇われておりました。

トリストル : ある夫妻に召し抱えられていたのですが、
私の描いた絵が気に食わないとおっしゃられ、解雇されました。

トリストル : その後、ほかの引き取り手もなく……。
処遇は、ユールモアの元首に任されることになったのです。

トリストル : 元首に、どうしたいかと問われ……
すっかり自信をなくしていた私は、街から出たいと……。

トリストル : すると……ああ……!
ユールモアから、海に向かって捨てられたのです……!

アルフィノ : なっ、あの高さから……!?
そんな、死んでもおかしくないじゃないか……!

トリストル : はい……私はたまたま、落ち方がよかっただけでしょう……。
それでも、あなた方が見つけてくださらなかったら、
あのまま事切れていたかもしれません。

アルフィノ : なんということだ……。
あの街では、そんな横暴が許されると……!?

トリストル : ……もっとも、それを横暴だと思う人はいないでしょう。
元首がそれを処罰だと言えば、そのとおりに受け止められる。

トリストル : ユールモアでは、元首……
「ドン・ヴァウスリー」こそが、法であり、道徳なのです。

アルフィノ : ……Clotho'a。
私はやはり、ユールモアについてもっと知りたい……
いや、知らねばならないと思うんだ。

アルフィノ : 早急に、街に入るための新しい手を考えるよ。
きっと何かあるはずだ……。

アルフィノ : ひとまずは、トリストルさんをライト村まで送ろう。
いつまでもここにいては、また体が冷えてしまうからね。

トリストル : そうでしたか……あなた方は、そのために……。

トリストル : おふたりとも、本当にありがとうございました。
命を救ってもらったばかりか、ここまで送っていただいて……。

トリストル : それで、その……さきほどの話によると、
あなた方はユールモアを目指していらっしゃるのですね。

トリストル : 本心を言えば、恩人をあの街に近づけたくありません……。
でも、何やら事情もおありのご様子ですので、
これをお持ちください。

トリストル : それは、私が使っていた絵筆です。

トリストル : 私が追放されたことで、近々、新たな画家が求められるはず。
そのときに、その使いこまれた絵筆を見せれば、
熟練の画家だと思わせられるかもしれません。

アルフィノ : いいのですか……?
これは、あなたにとって大事な商売道具のはず……。

トリストル : あなた方になら、どんなものを渡しても惜しくありません。
それに……私はきっともう、恐ろしくて絵が描けないでしょう。

トリストル : どのみち、ユールモアに睨まれたら、この地には留まれません。
別の場所で、新しい仕事を探したいと思います。
……あなた方の無事を祈りながら。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『歓迎の門』

アルフィノ : そうと決まれば、さっそく行動開始といこう。
まずは君を、ユールモアの前まで案内するよ。

アルフィノ : タイミングが合えば、そこで知ることになるだろう……
あの街を調査したい私が、なぜいまだ都市外にいるのか。
あるいは、この世界全体の実情もね。

アルフィノ : ……さあ、まずはこの村を出て西だ。
小さな橋があるから、それを渡ろう。

アルフィノ : ……コルシア島は穏やかだろう?
クリスタリウムもそうだが、世界が違っても、
人の営みは変わらないんだ……。

アルフィノ : 原初世界における霊災は脅威だが、その裏で、
こういった鏡像世界が統合されてもいたのだと思うと……
女性の悲鳴 : い、いや……誰か、誰か助けてぇッ!

アルフィノ : 今の悲鳴は……!?

アルフィノ : 放って行くわけにはいかない!
手分けして探そう……!

怯えた様子の老婦人 : あなたは……!?
気を付けて、罪喰いよ……!

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怯えた様子の老婦人 : ああ……!
助けてくださって、ありがとうございます。

アルフィノ : こちらだったか……!
君が見つけてくれてよかった……!

アルフィノ : ご婦人、お怪我はありませんか?
怯えた様子の老婦人 : ええ、転んでしまっただけよ。
この方が罪喰いを倒してくださったから、私は無事だわ。
怯えた様子の老婦人 : だけど、本当に危ないところだったの。
私ももう、早くは走れないし……
助けを呼ぼうとしたけれど、ここも空き家になっていて。
怯えた様子の老婦人 : ……私もいい加減、自分の家になんてこだわってないで、
ユールモアのお世話になるべきかもしれないわね。
怯えた様子の老婦人 : もっとも、こんなおばあちゃんじゃ、
入れてもらうのは難しいと思うけれど……。
そうだとしても、ユールモアに近い方が、きっと安全よね。

アルフィノ : ……私には、なんとも。
ただ、どうかご自身の安全を第一に。
できるだけ、ひとりにならないようにしてください。
怯えた様子の老婦人 : 本当に、助けてくださってありがとうございました。
あなた、とってもお強いようだけれど、
このあたりは寂れているから、気をつけてくださいね。

アルフィノ : あのご婦人の言ったとおり、
このあたりは、もうあまり人がいなくてね。
皆、ユールモアの方に移住してしまったんだ。

アルフィノ : 罪喰いが襲ってきたとて、追い払える力を持つ者は、
もうほとんどいない……。

アルフィノ : ……そういえば、君、罪喰いについては?
すでに話を聞いているかい?

アルフィノ : なるほど、アリゼーから聞いていたのだね。

アルフィノ : アム・アレーンに比べれば、こちらは穏やかな方だが……
それでも、罪喰いによる襲撃がないわけではない。
……君が駆けつけなければ、犠牲者がさらに増えていただろう。

アルフィノ : ……なにはともあれ、ここはもう大丈夫そうだ。
改めて、ユールモアに出発しよう。

アルフィノ : さっきの分岐路まで戻って、今度は西に続く道へ。
そのまま道沿いに進めば、目的地に到着だ。

アルフィノ : さて、ここだね……。

アルフィノ : 奥にあるのが「歓迎の門」……
その向こうに見える都市が、目的のユールモアさ。

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アルフィノ : 手前のここは「ゲートタウン」。
ユールモアに住むことを望む者が、
選ばれるのを待ちながら暮らしている場所だよ。
薄汚れた男性 : おお……!
いつもの変なチビかと思ったら、新顔を連れてるじゃねぇか!
薄汚れた男性 : へっへっへ……
特技がある奴なら、大歓迎だぜ。
あんたは一体、何ができるんだ?

アルフィノ : 彼は、移住希望者ではない。
君たちの邪魔はしないから、放っておいてくれ。
薄汚れた男性 : 何だとぉ~?
こっちが善意で聞いてやってるのによぉ!

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???? : はぁ~い!
みんな、ちゅうも~く!

赤い衣の道化師 : 前途有望な、市民候補の諸君ッ!
ゴキゲンはいかがかなぁ~?

赤い衣の道化師 : 今日はねぇ、あるご婦人が、
とびっきりおいしい魚料理を食べたい気分なんだって~!

青い衣の道化師 : だから、それを作ってくれる子を探しにきたんだ!
気に入ってもらえたら、もちろん都市内で暮らせるよ。
魚を食べない日だって、ず~っとね!

赤い衣の道化師 : さあさあ、名乗り出る人は?
自薦、他薦は問わないよぉ~!

アルフィノ : ……ユールモアは、世界政府を自称していると言ったね。
実は、あの都市には、別の異名もあるんだ。

アルフィノ : 最後の歓楽都市……。
「光の氾濫」を生き延びた貴人や富豪が、
残った時間を、楽しく遊んで暮らす場所……。

アルフィノ : 「持たざる者」である一般人が、その楽園に住まうには、
あんな風に、人材として買われるしかない。

赤い衣の道化師 : うん、悪くなさそうだ!

赤い衣の道化師 : キミを、ユールモアにお迎えするよ!

幸せの街で、これからずぅ~っと、腕を振るっておくれ!

青い衣の道化師 : さぁて……みんなのその、期待に満ちた顔!
言いたいことはわかってるよぉ~?

青い衣の道化師 : さあ、お待ちかね!
彼女の素敵な門出を祝福して、「メオル」の臨時配給だぁ~!

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アルフィノ : あの「メオル」というのは、ゲートタウンの住民に、
ユールモアが無償で配っている食料でね。
都市内でも、主食となっているものらしい。

アルフィノ : 食べていくのも困難な時代だから、
あれの配給に依存している住民も少なくない。

アルフィノ : だが……私はどうも……。

アルフィノ : ……まるで、人買いのような入国審査だっただろう。
これが、私がなかなかユールモアに踏み入れられない理由だよ。

アルフィノ : およそ20年前、今の元首が職に就いてからは、
ずっとこんな政策が続いているらしい。

アルフィノ : しかしこれでは、罪喰いと戦うことはおろか、
自立した生活を送ることさえ、どんどん難しくなっていく。
私は何度か、ここの皆に生活を改めるよう提案したのだが……

アルフィノ : …………いや、君にも直接見てもらった方がいいだろう。
私はここで待っているから、
ゲートタウンをひと回りしてきてくれ。

薄汚れた男性 : なんだ、さっきの奴か。
見てただろ、ユールモアからの寛大な施しを。
お前も、あんなガキとつるんでないで、ここに住んじまえよ!

薄汚れた男性 : ここはいいぞぉ……。
見た目は少々ボロっちいが、ほかより安全だし、
もらえるメオルがとにかく美味いんだ!

大ぶりな鍋の中で、スープが煮立っている。
具は、さきほどの白い食品……メオルだけのようだ。

遠くを見つめる女性 : 見て……今日もユールモアは美しいわ……。
私も早く、市民に選んでもらいたい……。
遠くを見つめる女性 : 中ではきっと、夢のような生活が待っているの。
こんな荒んだ世界に残された、最後の楽園だもの……。

アルフィノ : ゲートタウンの様子を、見て回れたかい?

アルフィノ : 彼らの食生活はメオル抜きに成り立たないし、
ユールモアに強くあこがれている者も多い。

アルフィノ : 何度か話をしてみたが、
これ以外の生活は考えられないといった風だったよ……。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『動かない湖』

ゼム・ジェンマイ : いいかい……?

この海岸を南に進んでいくと、小さな漁師小屋がある。
ゼム・ジェンマイ : そこにいる「エイボル」という男は、
クリスタリウムの協力者なんだ。

ゼム・ジェンマイ : 合図として香草の「レイクランドタイム」を渡せば、
この島に関する情報を提供してくれるはずだ。
もちろん、君の探している仲間についてもね。

ゼム・ジェンマイ : さあ、これが「レイクランドタイム」だ。
君が目的を果たしてくるまで、私はここでアマロと待つよ。
……幸運を、ご同輩。

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エイボル : ……なんだお前は?
魚でも買いに来たのか?

エイボル : なるほど……。
こいつは頂戴しよう。
久々に、焼き魚にも色気が出そうだ。

エイボル : ……で、何について聞きたいんだ?
ここのところ、たいした異変はなかったと思うが。

エイボル : ああ、アルフィノを探しに来たのか。
もちろん知ってるぞ。
最近では「お手伝いのエキスパート」として有名になってる。

エイボル : ユールモアの都市内はともかく、ここいらの村は貧しくてな……
自分が生きるので精いっぱいって奴が多い中、
すすんで他人に声をかけて回ってる、変わり者だよ。

エイボル : 今いる場所にも見当がついてるし、連絡は取ってやる。
……が、怪しまれないよう、会うのはほかの場所にしてくれ。

エイボル : ここから北に進むと、「スティルタイド」って漁村があって、
「穴あき小舟亭」っていう寂れた酒場がある。
そこで落ち合えと、アルフィノに伝えておこう。

セヴァ : ……ちょっと、どうしてそこに突っ立ってるのよ。
ここは酒場なんだから、居座るなら1杯頼んで頂戴?

セヴァ : はいはい。
ちなみに支払いは何で?

セヴァ : ……なぁにそれ、見たことない硬貨ね。
いったいどこから持ってきたのよ。

セヴァ : 生憎うちには、価値を測る試金石がないから、
それがいくら相当か、わかんないの。
参ったわね、支払えない客から注文は取れないし……

セヴァ : ああ、そうだ……代わりに働いてよ。
村の北に、「ガバナーの畑」って共同菜園があるの。
近頃、害虫がひどいみたいだから、行って駆除してもらえる?

セヴァ : おわったら、畑のわきに住んでる管理人に、
ちゃんと虫よけするようにって苦情を入れてやって。
元はサイロだった建物だから、見ればすぐわかるわ。

セヴァ : それがおわったら、いくらでも居座ってもらっていいわよ。

……返事がない。
もう一度、ノックしてみよう。
…………やはり返事がない。
もう一度だけ、ノックしてみよう。
中から微かに、何かの鳴き声が聞こえた気がした。
思い切って、扉を開けてみよう……。
……室内に人の姿はない。
家財も持ち去られているようだ。
わずかに残された野菜屑を、鼠が食んでいた。

セヴァ : おかえりなさい。
どう? 管理人、ちゃんと反省してた?

セヴァ : ……そう、いなくなってたんだ。
あの人もついに、ユールモアを目指して行っちゃったのね。

セヴァ : あら、わからないって顔ね。
私てっきり、あなたもユールモアへの移住希望者かと……。

セヴァ : まあ、この際なんでもいいわ。
仕事は十分にしてもらったから、どの席でも好きに使って頂戴。
一杯だけ、サービスで出してあげる。

???? : やあ、調子はどうだい?

セヴァ : いらっしゃい。
今日はすごいわよ、よそのお客がひとり来てるわ。

アルフィノ : ……久しぶり。
待たせてしまって、すまなかった。

アルフィノ : 頼まれていた、麦の種だ。
以前のものよりも、多く実るだろう。

セヴァ : あら、よく譲ってもらえたわね。
さすがアルフィノ……助かるわ。

セヴァ : それじゃ、あたしは、
増えちゃった空き家の片づけでもしてこようかしら。
ここは、好きに使ってちょうだい。

アルフィノ : とてもひさびさに、君と会えた気がするよ。
ドマで捕虜交換があったとき以来か……。

アルフィノ : 私の方は、こちらの世界に来てから、
少し時間が経っているからね。
本当に……元気そうで、何よりだ。

>それはこっちのセリフだ

アルフィノ : はは……。
こっちで再会したアリゼーからも、そう言われたよ。
あんなに怒られたのは、久々だ。

アルフィノ : 改めて、それぞれの無事を祝そう。
そして、互いがここに至った経緯を、交換しないかい?

アルフィノ : なるほど……。
水晶公やアリゼーからも事情を聞いてはいたが、
やはり、帝国との戦争は……。

アルフィノ : それに、タタルにも、ずいぶん心配をかけてしまったようだ。
どうにかして、みんなで無事に帰らなければ……。

アルフィノ : 埋め合わせに、いい報せをたくさん持ってね。

アルフィノ : そのためにも、原初世界と第一世界の統合……
第八霊災が発生するという可能性を、見過ごせない。

アルフィノ : ウリエンジェが視た未来を、
私は、本当に起こり得るものだと考えている。

アルフィノ : 彼の証言によれば、
原初世界において第八霊災のきっかけとなったのは、
帝国が使った、姿なき死の兵器だったらしい……。

アルフィノ : 間違いない、「黒薔薇」という毒ガス兵器だ。
私は、ガイウスとともに各地を巡っていたときに、
その再開発が進められているのを見た。

アルフィノ : ガイウスはそれを、かつて廃棄した研究だと言った。
しかし、人の争いが絶えないかぎり、
一度生み出された兵器は、完全に消えることはない……。

アルフィノ : 原初世界で、今ある「黒薔薇」を破棄するだけでは、
完全な問題解決にはならないのだ。

アルフィノ : ……そういった意味で、
私たちが第一世界に喚ばれたのは、幸運だったんだ。

アルフィノ : 私たちと水晶公の知識を合わせることで、
世界の統合が起こる真の条件が、ある程度見えてきた。

アルフィノ : 詳しくはいずれ、ウリエンジェ本人が話すだろうが……

アルフィノ : 世界の統合は、する側とされる側、
両方が重篤な危機に直面することで発生する。

アルフィノ : そして、ここ第一世界側の危機と言うのが、
「罪喰い」の問題なんだ。

アルフィノ : だから、私はこれを解決したい。
それに……。

アルフィノ : たとえそれが、自分の生まれた世界のことでなくたって。
目の前に苦しんでいる人がいるのを、
見なかったことにするなんて、嫌なんだ……!

アルフィノ : そのための足掛かりとして、
世界政府を自称し、事実大きな権力を持つという都市、
「ユールモア」を知ろうと思ったんだ。

アルフィノ : これからすべきことを、定めるために……
よければ君にも同行してもらいたいのだが、どうだろうか?

アルフィノ : 嬉しいよ……久々に、君と旅ができる。
改めて、こちらでもよろしく頼む。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『アルフィノを探して』

水晶公 : アルフィノに会いに行くのだな。
わかった、それでは案内をしよう。

水晶公 : 現在、ここクリスタリウムから彼のいる「コルシア島」へは、
気軽に向かえるような情勢ではなくてね。
特別に飛行獣を用意してもらわなければならないのだ。

水晶公 : そのための紹介状をしたためておいた。
街の入口付近にある「テメノスルカリー牧場」に行って、
獣牧士長の「ゼム・ジェンマイ」に渡してほしい。

水晶公 : あとは彼が、うまくことを進めてくれるはずだ。
私も、つつがなくアルフィノと会えることを願っているよ。

ゼム・ジェンマイ : おや、見ない顔だね。
この牧場に何か御用かな、ご同輩?
ゼム・ジェンマイ : ……ふむ、水晶公からか。
仲間を探しに「コルシア島」へ向かいたいと……。
ゼム・ジェンマイ : そういうことであれば、もちろん「アマロ」を出そう。
君に似合いの仔を選ぶよ。
ゼム・ジェンマイ : ああ、そこにいる灰色の有翼獣「アマロ」こそ、
このあたりでは最も一般的な乗用獣さ。
ゼム・ジェンマイ : 馴染みがないとは、めずらしい。
ごく一部の地域では、チョコボが主体と聞くけれど……
君もそういう場所の出身なのかな。
ゼム・ジェンマイ : ……なんにせよ、慣れていないというのなら、
私が一緒に行って誘導するとしよう。
ゼム・ジェンマイ : 私にかぎらず、ズン族は皆、
優れたアマロの飼育者であり、騎手であるけれど……
公の客人を、あの地に連れて行くとなれば、責任重大だからね。
ゼム・ジェンマイ : では、準備をするから、
君も出発の支度を整えて「アマロ桟橋」へ。
「新米のアマロ使い」に、一言かけておいてくれ。
新米のアマロ使い : ……コルシア島に向けてアマロを出す?
うーん、ゼム・ジェンマイさんが同行するなら大丈夫かな……。
新米のアマロ使い : わかりました、桟橋の利用を許可します。
このままここでお待ちになって、
ジェンマイさんとアマロが来次第、出発してください!

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ナレーション

潮風と繰り返す波の音
いつの世もその島では時が凪ぐ

垂れこめた光のもとではなおのこと
もはや動くこともない1枚の絵のようだ

風に乗り華やかな演奏がかすかに届く
遠くに見える都市まではただ荒れ野が続いていた

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ゼム・ジェンマイ : おつかれさま。
ここは、コルシア島の東側にある「クラックシェル海岸」。
ひとまずは無事に上陸というわけだ。
ゼム・ジェンマイ : ……ああいや、ここが危険な島だというわけではないよ。
ノルヴラント全体で見れば、
罪喰いによる襲撃も、比較的少ない方じゃないかな。
ゼム・ジェンマイ : ただ……。
ゼム・ジェンマイ : 遠くに、都市が見えるだろう?
あれが、この島を領する「ユールモア」さ。
ゼム・ジェンマイ : クリスタリウムと並ぶ大きな街で、
昔は、罪喰いを相手に共闘したりもしてたらしいんだけどね。
ゼム・ジェンマイ : 彼らはずっと、自分たちが世界を統治すべきだと主張していて、
ついには「世界政府」を自称……
そのほかの勢力に、指揮下に入るよう提案してきたんだ。
ゼム・ジェンマイ : けれど、いろいろと思想も違ってね……
クリスタリウムを含めた、すべての組織がこれを拒否。
以降、敵対はしないまでも、あまり仲が良くないというわけさ。
ゼム・ジェンマイ : というわけで、この島ではあまり、
水晶公の関係者だと話さない方がいい。
とくに、都市に近い場所ではね。
ゼム・ジェンマイ : よし、それじゃあ……公の許可も下りていることだし、
この島で「探しもの」をするための、秘密の方法を教えよう!

漆黒のヴィランズ メインクエスト『いらないもの』

テスリーン : さてと、今すぐに何かってわけでもないんだし、
切り替えていかないと、患者さんたちも不安になっちゃうよね!
テスリーン : 次は、みんなのご飯の支度っ!
もちろんあなたの分も作るから、一緒に食べよう!
テスリーン : 足りなかったら言ってね。
今日は少し多めに作ってあるんだ。
アリゼー : こころなしか、いつもより具沢山じゃない?
テスリーン : 正解、クリスタリウムからのお客さんなんて珍しいから、
ちょっとフンパツしてしまいました。

>じゃあ、遠慮なくおかわり! を選択

テスリーン : よしきた!
次の分が煮えるまで、ちょっと待っててね。
気に入ってもらえたなら、嬉しいなぁ。

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テスリーン : ……ほら、ここは捨てられたり、別れたり、
そういうことばっかりの場所だから。
テスリーン : もともとは私もね、
罪喰いになりかけてたお母さんをつれて、ここに来たの。
テスリーン : 助けられない、殺すしかないとわかっていながら、
どうしてもできない……。
みんな大体そう、それでこんな最果ての荒野を目指すの。
テスリーン : ここにあるのは、希望なんかじゃないわ。
ほんの少しの猶予と……せいぜい、痛みのない死だけ。
テスリーン : それでも、お母さんが静かに息を引き取ったとき、
こうして看取れてよかったって、本当に思ったんだ。
テスリーン : ……うん、そうだね。
救われるって信じていても、看てきた人の命を奪うのは……ね。
テスリーン : 身勝手かもしれないけど、いっそ「闇の戦士」が来て、
代わってくれればいいのにって、毎回思うよ。
アリゼー : 闇の戦士……?
テスリーン : あれ、知らない?
私も由来とかは詳しくないんだけど、有名な伝承だよ。
テスリーン : 『闇の戦士は、死の遣い。
 命を刈り取り、天の暗き海に返す』
テスリーン : 『誰も逃れることはできない。
 人も、人がなりはてた罪喰いでさえも』
テスリーン : ……って感じだったかな。
まあ、実際にはそんなの見たことがないから、
おとぎ話みたいなものなんだろうけど。
アリゼー : ……物騒きわまりないわね。
テスリーン : そうかな?
人でも罪喰いでも命を返してくれるってところ、
私は好きなんだけど……。
(罪食い化が進んだ人々がいっせいに空を見上げる)
パーニル : 来る……。
慌てた様子の世話人 : テスリーン、大変……ッ!
慌てた様子の世話人 : ハルリクが……ハルリクがいないの!
少し目を離したすきに、いなくなってたの!

テスリーン : Clo、アリゼー!
お願い、一緒にハルリクを探して……!
テスリーン : 理由はわからないけど、外に出ちゃったなら、
獣や罪喰いに襲われる可能性もある……。
とにかく、早く見つけないと!
アリゼー : わかってるわ、手分けしましょう。
行き先とかに、心当たりはないの?
テスリーン : そういうのは、何も……。
ただ、ほかの患者さんも、なんだかザワザワしてる。
彼らにしかわからない事態が起きてるのかも……。
テスリーン : ひとまず、いなくなってから時間はさほど経ってないから、
宿の近くを探してみよう!
私、東の方から回ってみる……!
テスリーン : お願い……無事でいて、ハルリク……!
アリゼー : それじゃあ、私は北西の方に行ってみるわ。
あなたは、南側を……頼んだわよ!
アリゼー : どう、何か見つかった!?
アリゼー : そっちも手掛かりなしか……。
そう遠くまで行くとは思えないんだけど……。
アリゼー : 罪喰いが騒ぎ出しているのも、嫌な感じね。
もう一回、今度は別の場所を……。
アリゼー : あれも罪喰いだわ……!
多分……かなり強い!
アリゼー : 人を襲いに来たのかもしれない!
追いましょう!
アリゼー : いたわ!
アリゼー : あれって……ウソでしょ……ッ!
アリゼー : ハルリクッ!
テスリーン : 逃げよう……!

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アリゼー : テスリーンッ!
テスリーン : この世界に、あるもので……
いらないものなんて、ない、のよ……。
テスリーン : あなただって……最後のときまで、大切、な……
苦しんで……死んじゃ……だめ…………。
テスリーン : そうでしょ……おかあさ………………
アリゼー : そんな……嫌……テスリーン……!
テスリーン : ゴメ……ネ……アリゼ…………。
アリゼー : ………………。
アリゼー : ごめん、Clo……。
世話人のみんなには、事情、話しておいたから……。
アリゼー : 少しだけ……あとのこと、頼らせて…………。

---------
トッデン : …………ぅ……ううぅ。
パーニル : ……あぁ……遠ざか、る……。
ラモン : はは……あははは……。
何の冗談ですか、テスリーンが……そんな……はは……。
ヴォイン : 足りた……足りた……新しい…………足りた……。
レンリック : こんな危険な場所で仕事をしてるんだ。
覚悟がないわけじゃない……だが……!

---------


罪食い化が進んだ人は、強い罪食いの存在を感知できる? テスリーンが罪食い化した後、ヴォインが言っていた「足りた」とは?一定数減ると力の強い罪食いが補充しにくるのかもしれない。


カッサーナ : ……信じられない。
カッサーナ : テスリーンは、いつも患者たちに明るく話しかけてたわ。
怖いことも、痛いことも、ないんだよって伝えるみたいにね。
カッサーナ : その彼女が……どうして……
そんな終わり方、しなくちゃならなかったの……!

ウィルフォート : ……君たちも、ショックだろうに。
こうして気遣ってくれて、ありがとう。
ウィルフォート : 正直なところ、言葉にならないよ……。
人でなくなってしまえば、墓を作って弔うこともできない。
それを一番さみしがったのは、テスリーン……君だったのに。

ハルリク : …………。

>ひとまず見回ってきた

アリゼー : …………うん。
ありがとね……いろいろと……。
ウィルフォート : すまない、テスリーンのことで驚いて、
ハルリクを連れ帰ってくれた君たちに、
礼を言えていなかった……。
ウィルフォート : 怪我は、していないかい……?
アリゼー : ええ……戦うことすら、できなかったからね。
私は、用心棒失格だわ。
カッサーナ : 悔しいけど、どうにもできないことだってある。
ハルリクが無事だっただけでも、私たちにはありがたいわ。
アリゼー : ごめんなさい、やっぱり私、用心棒は続けられない。
アリゼー : ……そんな身分で、頼めたことじゃないかもしれないけれど、
ハルリクに毒を与えるのは、できるだけ待ってほしいの。
アリゼー : もちろん、限界だと思ったら、迷わないで。
できる範囲でいいから……お願い。
ウィルフォート : それは、もちろん、私たちもそのつもりだが……。
アリゼー : ありがとう。
それだけでも、今は十分だわ。
アリゼー : そういうことだからね、ハルリク。
テスリーンに言われたこと、きっと忘れないで。
……元気でね。
カッサーナ : こ、このまま発つ気……?
つらい気持ちはわかるけれど、焦らなくたって……
行く当ては、ちゃんとあるの?
アリゼー : そうね、行き先というか、やるべきことは決まってるわ。
アリゼー : 罪喰い化しはじめた人が、決して助からないのは、
この環境が、絶え間なく光を蓄積させるせい……。
アリゼー : だったら、それを正常な状態に戻せたら?
すぐには無理かもしれないけれど、
少しずつだって、治る見込みがでるんじゃないかしら。
ウィルフォート : い、いや、落ち着くんだ。
理論上はそうかもしれないが、とても現実的な話じゃ……!
アリゼー : 私は、最初から……
戦って、世界を変えてやるつもりよ。

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アリゼー : クリスタリウムに戻りましょう。
修行は終わり、ここからは磨いた剣を突き立ててやる番よ。

アリゼー : ……悪かったわね。
飛び出すように出てきちゃって。
アリゼー : でも、言ったことは全部本気よ。
彼らには彼らなりの、生きるための戦いがあるように、
私は私の道で戦うだけだわ……。
カサード : お、おい嬢ちゃん、大丈夫か……!?
お前、泣いて…………

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アリゼー : っ……いいから、クリスタリウムに帰るわよ!
全速力で、風より速く、ブッ飛ばしてよね……!
カサード : お、おうっ……!
アリゼー : まったくもう……。
アム・アレーンの上を飛ぶと、
すぐに砂が目に入るんだから……。
アリゼー : ……でも、なんだかちょっと頭がすっきりした。
私、ここからまた、がんばれるわ。
アリゼー : さあ、水晶公のところに行きましょう!
罪喰いをバッタバッタなぎ倒すための作戦、考えなくっちゃ!

アリゼー : ひとまずは、アム・アレーンの旅、おつかれさま。
さっそく次の……と思って飛び込んできたけど、
あなた、コルシア島のアルフィノにも会いに行くんだったわね。
アリゼー : まあ、アルフィノだから掴める情報もあるでしょうし、
少しくらい待つのは構わないわ。
……あっちのことも、よろしくね。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『宿を発つなら』

テスリーン : うーん……。
諸々のお礼も兼ねて、あなたをきちんと、
おもてなししたいんだけど……。
テスリーン : ごめんなさい!
買い出しに行ってる間にも、仕事が山積みになってて……!
しばらく、アリゼーと待っててもらってていいかな?
アリゼー : そんなの、逆に居心地が悪いわよ。
……何か手伝えることは?
テスリーン : うう……本当にごめん、ありがとう……。
それじゃあ、アリゼーは一緒に備品の点検をお願い。
テスリーン : cloさんには、
患者さんたちに声をかけながら、
顔や体についた砂埃をぬぐってあげてほしいの。
テスリーン : 「パーニル」「トッデン」「ハルリク」の3人だよ。
新しい人が手を貸してくれたら、きっと嬉しいと思うから……
どうか、よろしくお願いします!

パーニル : ……ぅ…………あり、が、とう……。
トッデン : ………………。
トッデンは、じっとこちらを見ている。
少しだけ、嬉しそうに目を細めた気がした。

ハルリクの頬についていた砂埃を掃ったが、一切の反応がない。
肌が、石膏のような不思議な質感に変化している……。

テスリーン : あっ、もう済んだのかな……?
患者さんたちの様子、どうだった?
テスリーン : ……そっか、そんなに喜んでもらえたなら、
あなたにお願いした甲斐もあったね。
テスリーン : だけど、ハルリクはやっぱり……。
世話人のみんなとも話さなきゃならないけれど、
そろそろ……なのかもしれないね……。
アリゼー : …………テスリーン。
私、cloに見せたいものがあるんだったわ。
モルド・スークに行くけれど、何かお使いはある?
テスリーン : アリゼー……。
…………ごめんね、ありがとう。
テスリーン : それじゃあ、「ネクタリン」をお願いできるかな。
カサードさんの隊商が来てたから、
ローンロンさんの店で、入荷してるかも。
アリゼー : ということで、clo。
悪いけれど、ちょっとモルド・スークまでつきあって。
最初に、ローンロンの店ね。

ローンロン : あれ、さっきの旅人さん。
どうしたネ? ウチの味がクセになった?
アリゼー : ねえ、「ネクタリン」って入荷してる?
あったらひとつ、買いたいんだけど……。
ローンロン : あるヨ! あるヨ!
入荷したての、ぴっちぴちネ!
ローンロン : 旅人さん、さっき大盤振る舞いしてくれたネ。
だから、ネクタリンはおまけしとくヨ。
お代は結構ネ!
アリゼー : モルドの商人が、タダでプレゼントだなんて……
この店で何をそんなに買ったのよ……?
アリゼー : そうだ、白ミミズもある?
あるなら、それは私が買うわ。
アリゼー : ち、違うわよ、私が食べるんじゃないから!
これから、あなたをある場所に連れて行くのに必要なの!
アリゼー : ……で、あるの!?
ローンロン : もちろん、あるネ!
お買い上げ、大歓迎ヨ!
アリゼー : よし、これで買い物は完了だわ。
次は、集落の西側にある、一番大きな塔に行きましょう。
あなたに見せたいものが、その上にあるのよ。
アリゼー : 守衛のお仕事、おつかれさま。
……はい、あなたの好きな白ミミズよ。
それをあげるから、塔の上に登らせてほしいんだけど?
モルド族の守衛 : ひゃああ~、ぷりっぷりの白ミミズ!
た、た、たまらないネ!
モルド族の守衛 : 本当はダメなんだけど~……特別ネ?
これっきり、これっきりヨ?
アリゼー : 塔に上っていいそうよ。
じゃ、行きましょうか。

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アリゼー : あそこを見て。
大きな結晶の、切れ間のところ。
アリゼー : 向こうに、白い地平が見えるでしょう?
アリゼー : あれが、「光の氾濫」に飲まれた土地だそうよ。
ただ真っ白な、何ひとつない無の空間……。
アリゼー : 今なお強い光の力を帯びていて、
踏み入ろうとすれば、体のエーテルバランスを崩してしまう。
生命は、あの先じゃ生きていけないんだわ……。
アリゼー : ……さっき買ったネクタリンね。
ハルリクの……あの罪喰い化が進んでた子の、好物なのよ。

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アリゼー : あの子も含め、多くの患者は、
力ある罪喰いに襲われながら、かろうじて生き延びた人よ。
アリゼー : でも……その場では助かったというだけで、
敵の力は彼らに食い込み、エーテルを光で侵食していた。
アリゼー : 加えて、環境もご覧のとおり。
普通の人なら体が自然とバランスを整えるけれど、
彼らはもう、浴びるがままに光を蓄えてしまう……。
アリゼー : だからね……
遅かれ早かれ、いずれは全員、罪喰いになるそうよ。
アリゼー : テスリーンたちも、それはわかってる。
だから、一線を越えて完全な罪喰いになる前に、
必ず命を絶たなければならない。
アリゼー : 意識があったころ、好きだった食べ物に、毒を混ぜて。
……そんな最期を、何度も見てきたわ。
アリゼー : ……悔しいわよ、今でもずっとね。
戦っても戦っても、強さなんて足りやしない。
アリゼー : それでも、向き合わなきゃ。
私、散々あなたに置いていくなって言っておいて、
自分はあのザマだったじゃない?
アリゼー : あのタイミングで喚んでくれた水晶公には、
散々、物申してやったけど……
アリゼー : 誰のせいにしたところで、
あなたを戦場に置いてきたって後悔は、消えやしなかった。
だから、決めたの。
アリゼー : その分、こっちでできることがあるなら、
苦しい道だって、走り抜けてみせるって。
アリゼー : ……それが、今の私の決意で、支えだわ。
アリゼー : そろそろ戻りましょうか。
長く待たせたら、テスリーンもつらくなるだろうから……。

アリゼー : つきあってくれて、ありがとう。
「無の大地」のこと、あなたに見せておきたかったのよ。
この世界の実情を知る上では、欠かせないからね。
アリゼー : それと……いろいろと思うところがあるでしょうけど、
ネクタリンは、きちんとテスリーンに渡してあげてほしいの。
アリゼー : 人が罪喰いに変化してしまうことは、
他者にとって脅威であると同時に、
当人にも酷い苦痛をもたらすそうよ……。
アリゼー : 世話人のみんなは、患者たちのことが本当に大好きで、
だからこそ、苦しませたくないと思ってる。
彼女たちなりに、こんな世界と戦ってるんだわ……。
テスリーン : あ……おかえりなさい。
ネクタリンは、あったかな……?
テスリーン : ありがとう、確かにいただきました。
……その様子だと、事情も聞いたみたいだね。
テスリーン : 大丈夫、これは保険よ。
ハルリクのことは、できるだけ様子を見ようって、
世話人のみんなで話したの。
テスリーン : それでも、備えがあれば、急にときが来た場合に、
好きだったものと一緒に送ることができる……
本当に、ありがとうね。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『あの娘の足跡』

テスリーン : さぁて、当のアリゼーは……
テスリーン : うーん、いないみたいね。
ってことは、外の見回りに出てるんだと思う。
テスリーン : 見回りのときは、物見櫓(ものみやぐら)を拠点にするから、
そっちに行ってもらえれば、ここで待つより早く会えるかも!
テスリーン : 物見櫓は、南側の出口から出てすぐだよ。
私は、入れ違いにならないように、
仕事をしながらここで待ってるね。
???? : 待ちなさい!
アリゼー : ウソ……本物!?

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>お見事!を選択

アリゼー : つ、罪喰いとはいえ、これは雑魚だもの。
倒せて当たり前だわ……。
アリゼー : あなたこそ、いつかは来るって思ってたけど、
ずいぶん遅かったじゃない?

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アリゼー : …………久しぶり、元気だった?
アリゼー : そう……。
帝国との戦いは、膠着状態なのね……。
アリゼー : 一度、原初世界と繋がったっていう水晶公からも、
ひとまずの危機は去っていたと聞いたけど……
時間の流れもずれてるっていうし、心配だったのよ。
アリゼー : アルフィノとウリエンジェには、こっちに来て会えたから、
私の知ってることを伝えておいたわ。
アリゼー : まだ会えていないサンクレッドとヤ・シュトラにも、
彼らや水晶公を経由して、話がいっているはずよ。
アリゼー : 待たせているタタルたちのことを思うと、
一刻も早く、原初世界に帰ってあげたいけど……
アリゼー : 方法が見つからないのもあるし、
何より、ウリエンジェの未来視を見過ごせないわ。
アリゼー : ウリエンジェってさ……
言葉は回りくどいし、ひとりで納得してばっかりじゃない。
アリゼー : でも、根はどうしようもなく優しいから、
みんなを本当に傷つけるような嘘は、つけないと思うのよ。
アリゼー : そんな彼が、第八霊災が起きる……英雄が死ぬ……だなんて。
言い出すまでには、結構悩んだんじゃないかしら?
アリゼー : ……だから、私は信じてる。
今やるべきことは、世界の統合を止めること。
そのために、第一世界を罪喰いから救わなきゃいけないって。
アリゼー : ねえ、あの大きな白い壁を見て。
あれが「光の氾濫」の跡よ。
アリゼー : 100年前、ここ第一世界では、光の力が異様に高まっていた。
それがある日、限界を超えて……あふれたそうよ。
アリゼー : 発生した、超高濃度の光の波は、
ノルヴラント以外の場所……世界の9割を飲み込んだ。
アリゼー : 普通、あらゆる生物は、
複数の属性から成るエーテルを有しているものだわ。
アリゼー : けれど、あの波にのまれると、そのバランスが乱れてしまう。
すると、あるべき形を保てなくなるのよ。
アリゼー : 消滅するか……
理性すらない、異形の怪物になり果てるか。
アリゼー : そう、罪喰いっていうのはね……
もともと、光の氾濫に飲まれた「誰かさん」だったんだわ。

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アリゼー : 一度そうなってしまったら、もう戻れはしない。
罪喰いはエーテルを食べるから、人は恰好の餌よ。
アリゼー : あるいは、苗床ね……。
力の強いものは、襲った相手のエーテルを乱し、
罪喰いに変えてしまうことができるわ。
アリゼー : つまり、あいつらの目的は、喰うことと増えること。
実にシンプルで……
だからこそ交渉の余地もない、人類の敵だわ。
アリゼー : そして、ここ「旅立ちの宿」は、
罪喰いに襲われ、自身もそうなりかけている人たちが、
捨てられてくる場所なのよ。
アリゼー : テスリーンたちが世話している患者……
彼らは全員、罪喰い化しかけている人よ。
程度に差はあるけれどね。
アリゼー : ああなると、周りには恐れられ、人里には住めない。
それで、こんな世界の「端」に連れてこられるんだわ。
アリゼー : 本当に地獄のようだけど……
幸い、私が修行するにはちょうどいい場所だったし、
テスリーンたちから、罪喰いについて学ぶこともできた。
アリゼー : あなたにも、それを共有するわ。
私たちが今後どうするかを決めるためにも、ね。

アリゼー : さてと……。
まずは実習も兼ねて、見回りを終わらせちゃいましょう。
アリゼー : あなたには、旅立ちの宿から北を頼むわ。
地図に印をつけるから、その周辺を見てきてほしいの。
アリゼー : 体がとくに白い異形がいたら、罪喰いと考えて間違いないわ。
人のエーテルに惹かれて襲ってくるだろうから、必ず倒して。
アリゼー : 終わったら、北側の出入口の前で集合しましょ。
……それじゃ、あとでね!
アリゼー : おかえりなさい。
そっちはどうだった?
アリゼー : そう……やっぱり、はぐれ罪喰いが出たのね。
まあ、ここらでは日常茶飯事のことなんだけど。
アリゼー : 戦ってみてわかったと思うけれど、
低級な罪喰いだったら、
その辺を徘徊してる獣と大差ない強さだわ。
アリゼー : だけど、あいつらは……
妖異に似て、強い個体に付き従う習性があるのよ。
アリゼー : だから、強大な罪喰いが狩りを行うときには、
とんでもない数の軍団になることがある。
そいつらに、どれだけの人が餌食にされてきたことか……。
アリゼー : こうして見回りをするのも、罪喰いの数を減らして、
いざってときの危険性を少しでも軽減するためよ。
……手伝ってくれて、ありがとうね。
アリゼー : それじゃ、テスリーンにも報告しに行きましょう。
テスリーン : 聞いたよ、見回りを手伝ってくれたんだって!?
さっきから危険なことばっかりでごめん……でも、ありがとう!
テスリーン : それにしても、アリゼーと無事に合流できてよかったよ。
彼女、すっごくあなたに会いたがってたんだよ?
何かにつけて、Cloなら~って……
アリゼー : バッ……勝手なこと言わないでよね!?
私はただ、冷静に、客観的な視点を持とうとしていただけよ!
テスリーン : うふふふふー。
Cloさんの戦いぶりったら、
本当にお見事ッてかんじだものね。
テスリーン : しかも自然と手を貸してくれて優しいし……
私もファンになっちゃいそう!
アリゼー : …………!!
テスリーン : あはは、嘘よ嘘!
Cloさんがいい人なのは本当だけど!
ふたりとも、見回りおつかれさまっ!


【おまけ】クエスト完了後アリゼーに話しかけてみると…

アリゼー : 何なのよ、もうっ!
もう一周、見回り行ってこようかしら。