元勇者の冒険の書

そろそろ冒険に出たいけど、町人に甘んじている元勇者の冒険の書です。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『招かれざる客』

ペンダント居住館の管理人 : おや、お目覚めになられたのですね。
これからお出かけですか?

ペンダント居住館の管理人 : だとしたら、街の外には出ない方がいいかもしれません。
なんでも、ユールモア軍の飛空艇が突然やってきて、
湖畔に駐留しはじめたらしいのです。

ペンダント居住館の管理人 : 今、水晶公が「星見の間」で対応に当たっているようですが、
やはり、夜の闇を取り戻したことについての尋問でしょうか。
軍隊を連れてくるなんて、不穏ですね……。

衛兵団の守衛 : 水晶公に御用でしょうか?
私が「星見の間」まで、ご案内致しましょう。

水晶公 : いいところに来てくれた。
街で噂を聞いたかもしれないが、厄介な状況になっている。

水晶公 : イクランドの、ラクサン城だ。
先ほどここに、ユールモア軍の飛空艇が飛来した。

水晶公 : 彼らの目的は、大罪喰い討伐についての事情聴取らしい。
まもなくこちらへ使者をよこすと、連絡が届いている。

アリゼー : これだけサッパリ空から光が掃われてちゃ、
大罪喰いを倒したってことを隠すのは無理ね……。

水晶公 : ああ、だから遅かれ早かれとは思っていたのだが……

ライナ : 水晶公。
ユールモア軍からの使者をお連れしました。

水晶公 : ああ、少し待ってくれ。

水晶公 : 皆、こちらへ。

水晶公 : 切り札は、できるだけ隠しておくものだ。
多少窮屈かもしれないが、許しておくれ。

水晶公 : ……バニシュ!

水晶公 : 入ってくれ。

水晶公 : ……驚いた。
まさか、ユールモア軍の大将軍、
ランジート殿みずからおいでとは。

ランジート : 答えよ……。
大罪喰いを殺したのは、この街の者か?

水晶公 : ふむ……いささか性急だな。
なぜそれを問うのかくらい、聞かせてはもらえないか。

ランジート : 我が主、ドン・ヴァウスリーは、案じておられるのだ。
知恵なき者の、衝動的な戦いによって、
人と罪喰いの関係が悪化することを。

ランジート : ゆえに、貴公の街が、
大罪喰いを討った逆賊に与しているのであれば……

ランジート : 進軍も、致し方なし。
……そう命じられている。

水晶公 : そういうことであれば、
こちらも率直に答えねばならないな。

水晶公 : 大罪喰いを討った者との関係はともかくとして、
私たちは、取り戻した美しい空を歓迎している。

水晶公 : もし、お前たちがそれを許さぬというのなら、進軍するがいい。

水晶公 : ただし……。
罪なきクリスタリウムの民が、すべて討ち果たされたとて、
動き出した時代が止まりはしないだろう。

ランジート : 愚かな……。
罪喰いをいくら討伐したとて、争いは永劫にやまぬ……。

ランジート : この世界は、もはや骸も同然よ。
我が主のもと、平和と喜びのうちに生をまっとうすることこそ、
唯一の安らぎにほかならぬ。

ランジート : ……しかし、貴公の主張は承知した。
ひとまずは、我が主に伝えるとしよう。

ランジート : 貴公も、街のすみずみまで伝えておくがいい。
投降を望む者あらば、急がれたしとな……。

ランジート : それと……
最近この街に、若き男の画家と、その助手が来なんだか。

水晶公 : さて……心当たりはないが。

ランジート : もし流れ着いてきたならば、引き渡せ。
我が主が、再会を熱望しておるでな。

アリゼー : ねえ、私たちの姿、ちゃんと消えてたわよね?
あいつ、最後にこっちを睨まなかった……?

水晶公 : 残念ながら、気のせいではないだろうな……。

水晶公 : ユールモアは、今でこそ罪喰いとの融和政策をとっているが、
ヴァウスリーが元首になる前は、
むしろ罪喰い討伐の先陣をきっていたんだ。

水晶公 : ランジート将軍は、その時代から、
最強と謳われたユールモア軍を仕切ってきた武人だ。
何か、勘が働いたのかもしれない……。

アルフィノ : そんな人物が派兵されてくるということは、
進軍の件も、単なる脅しとは言い切れないか……。

アルフィノ : 水晶公、私たちの補佐をしてくれるのはありがたいが、
クリスタリウムの民を巻き込むようなことは……。

水晶公 : お心遣い、深く感謝する。
だが、それについては、私に一任してほしい。

水晶公 : かねてより、全土を支配せんとしているユールモアのこと。
今「闇の戦士」を突き出したところで、
いくらでも理由をつけて、この街を押さえにくるだろう。

水晶公 : それがわからぬクリスタリウムの民ではないよ。
彼らはいかなる苦境においても、誇りを持って生きてきた。
此度も、選ぶべきを選ぶだろう。

水晶公 : むしろ、ユールモア軍の力と、ヴァウスリーの性格を思えば、
この場で進軍を宣言されてもおかしくなかったが……。

ライナ : あちらも、しばし時間を稼ぎたかったのかもしれません。

ライナ : ラクサン城の監視をしていた者から、報告がありました。
ユールモア軍は到着後、周辺を巡回……
その際に、ある人物を捕らえたようです。

ライナ : その人物こそ、ミンフィリア……
ユールモアから脱走した、光の巫女ではないかとのことです。

ライナ : 戦端を開く前に、彼女をユールモアへ送還したい……
そう考えたとすれば、簡単に引き下がったのも納得です。

ライナ : ランジート将軍といえば、
「ミンフィリアたち」の指南役としても有名ですしね。

水晶公 : そうか……あなたはまず、
こちらのミンフィリアについて、知っておくべきだろう。

水晶公 : 博物陳列館のモーレンを訪ね、聞いてみるといい。

水晶公 : アルフィノとアリゼーにも、同行を頼めるだろうか?
なにせ込み入った事情だ……
ふたりからも、補足をしてほしい。

アリゼー : 了解……。
といっても、私もまだ「彼女」のことは、
理解しきれてないんだけどね……。

水晶公 : 私はその間に、事の真相を調べておこう。
それから、今後の対策も……。

モーレン : おや、みなさんどうなさったのですか?
「闇の戦士」や夜にまつわる本でしたら、
人気急上昇につき、ほとんど貸し出し中ですが……。

モーレン : なるほど、「光の巫女ミンフィリア」について学びたいと!
ええ、ええ、喜んでご協力いたしますともっ!

モーレン : 私は急いで今の作業を終わらせてしまうので、
その間に、説明に使う本を探してきてください。

モーレン : 『光の巫女の物語』という題の本です。
これは児童書でありながら実にうまくまとめられた本で、
彼女について学ぶのであれば、最初の1冊として外せない……

モーレン : ……っと、そのへんはどうでもいいですよね、ハイ。
ともかくその『光の巫女の物語』は、
普段ならひとつ下にある本棚に収められています。

モーレン : ただ時折、借りた本をもとの位置に戻さない人がいるので……
もしないようでしたら、ほかの棚も探してみてください。

アルフィノ : ここにはないようだな……。

アリゼー : あら、その手に持ってる本って……。

モーレン : どうでしょう?
『光の巫女の物語』は見つかりましたか?

モーレン : ああ、間違いありません!
探してきてくださって、ありがとうございます。

モーレン : 私の作業も、もうじき一区切りがつきますので、
あとのおふたりも呼んで、
光の巫女にまつわるお話をいたしましょう。

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モーレン : それでは、はじめさせていただきます。

モーレン : ことのはじまりは、100年前の「光の氾濫」。
ノルヴラントを呑まんとしていた光の波が、
ひとりの女性によって止められたことでした。

モーレン : 金の髪に、水晶色の目を持つ女性……
誰かがその背に「ミンフィリア」と声をかけたことから、
のちに「光の巫女ミンフィリア」と名付けられました。

モーレン : 彼女は氾濫を止めると同時に消えてしまいましたが、
およそ15年後、再びその名前が歴史の表舞台に現れるのです。

モーレン : きっかけは、罪喰いによって襲撃を受けたフッブート王国にて、
罪喰い化に耐性のある少女が発見されたことでした。

モーレン : 伝説の光の巫女と同じ、金の髪と水晶色の目を有していたため、
彼女もまた「ミンフィリア」と呼ばれるようになりました。

モーレン : ミンフィリアは、当時のユールモア軍に合流し、
数多くの罪喰いを討伐しました。

モーレン : しかし彼女も、とめどのない罪喰いとの戦いで、
ついには傷つき倒れてしまいました。

モーレン : 死の間際、彼女は悲しむ仲間たちに、
「ミンフィリアはまた生まれてくる」と語ったそうです。

モーレン : ……数年後、彼女の言葉どおりに、
同じ特徴をもった、罪喰い化に耐性のある少女が見つかりました。
ミンフィリアは、本当に生まれ変わったのです。

モーレン : 新しいミンフィリアもまた、ユールモア軍に保護されて、
罪喰いと戦い、その果てに亡くなりました。
それが幾度も繰り返されて、今日に至るのです……。

モーレン : ……というのが、『光の巫女の物語』の概要です。

モーレン : 彼女たちが命懸けで戦ってくれたことが、
これまで何度も、ノルヴラントの危機を救ってきました。

モーレン : 大罪喰いという存在と、その性質を知ることができたのも、
ミンフィリアたちの功労だと言われています。

アリゼー : ということは、ミンフィリアはかなり強いのね……?

モーレン : ……どうでしょう。
光の巫女は、特徴こそ生まれ変わっても継承しているものの、
記憶や知識まで継いでいるわけではないそうです。

モーレン : つまり、発見された時点では誰しも、
戦いの経験を持たない、普通の女の子だった……。

モーレン : そこから努力をして……あるいは周りに強いられて、
罪喰いとの戦いの最前線に上がったわけです。
真実に至るのにだって、多くの犠牲を払ったことでしょう。

アルフィノ : モーレン、君は「今」のミンフィリアについて、
何か知っているかい?

モーレン : 現在のミンフィリアは、
10年ほど前にユールモア軍が発見、保護した子です。

モーレン : ただ、その当時すでに、
ユールモアはヴァウスリーによって方向転換していた……。

モーレン : 保護というのは建前で、実際は罪喰いを倒し得る彼女を、
危険因子として手元で管理しておきたかったのだと思います。
いわば幽閉、監禁です。

モーレン : 以来、ミンフィリアについての情報は完璧に遮断され、
外部からは、生存の確認さえできなくなりました。

モーレン : しかし、ついに3年前、心ある勇士がユールモアに潜り込み、
彼女を逃がしたらしいのです。
まるで物語に出てくるヒーローですね!

アルフィノ : ……なるほど、よくわかった。
貴重な話をありがとう。

アルフィノ : さて、Clotho'a。
これらの情報をふまえた上で、話をしたいのだが……
この部屋を出たところにある会議場まで来てくれるかい?

アルフィノ : 君ならもう気づいているかもしれないが……
3年前にミンフィリアを助け出したのは、サンクレッドだ。

アルフィノ : 水晶公から聞いた話によれば、
以来彼はミンフィリアを連れて旅暮らしをしているらしい。
それで私たちも、こちらではまだ会えていないんだ。

アリゼー : 私たちの知る、原初世界のミンフィリアは、
ハイデリンの使徒として、
「光の氾濫」を止めるために第一世界に旅立ったわよね。

アリゼー : それがきっと、第一世界の人たちが見た、
最初のミンフィリアだった……。

アリゼー : とすれば、その生まれ変わりだという今のミンフィリアも、
大元の彼女と無関係ってわけじゃないんでしょうけど……
それでもやっぱり、記憶すら継いでいない別人でしょう?

アリゼー : サンクレッドは……わかっているのかしら。

アルフィノ : 当然、理解はしているだろう。
それをどう思っているかまでは、答えようもないがね。

アルフィノ : 何にせよ、これまでミンフィリアと共にいたサンクレッドが、
急に彼女を見放すとは思えない。

アルフィノ : 今、ユールモア軍に彼女が捕まったというのなら、
サンクレッドの安否も気になるところだ。

アリゼー : まわりくどいわねぇ。
つまるところ、捕まったミンフィリアの様子を見に行きたい、
っていうか助けてあげたいって言いたいんでしょ?

アリゼー : ま、私も同感なんだけどね。

アリゼー : 罪喰い化に耐性があるってことはきっと、
元のミンフィリアから、Clotho'aと同じ、
光の加護を受け継いでるんだわ。

アリゼー : だったら、むざむざ敵の手に渡すより、
仲間になってもらった方がいいじゃない?

???? : 意志は固まったようだな。

アルフィノ : 水晶公!
どうしてここに……?

水晶公 : ふむ……。
報告がひとつと、提案がひとつ。
あなた方に、いち早く伝えようと思ったのだ。

水晶公 : まず、報告だが……
偵察部隊によって、ラクサン城に駐留しているユールモア軍が、
ミンフィリアを捕縛しているという確証がとれた。

水晶公 : 今はまだ城内に留め置かれているようだが、
いつ本国に移送されるかわからない状態だ。
そうなると、彼女を救出するのは非常に難しくなる。

アリゼー : だとしたら、とっとと行動を起こした方がよさそうね……。

水晶公 : そこで、提案の方だ。

水晶公 : ミンフィリアの救出は、私と、このクリスタリウムの街に、
任せてみてはくれないだろうか?

漆黒のヴィランズ メインクエスト『闇の戦士』

水晶公 : さて、このあとのことについてだが……。

ライナ : 先に救助されていたホルミンスターの住民は、
皆、無事にクリスタリウムに移送されたそうです。

ライナ : 手当と受け入れの準備は、つつがなく。
皆どちらかといえば、
空の変化が気になって仕方ないようです。

ライナ : 例の伝承とかけて、「闇の戦士」が現れたのではないか……と。

水晶公 : ……是非もない。

水晶公 : Clo、ひとつ提案なのだが……
あなたがその「闇の戦士」だということは、
しばらく内密にさせてもらえないだろうか?

水晶公 : イクランドの空から光が掃われたことは、
あまりに大きな変化だ。
人々の中には、興奮と戸惑いが渦巻いていることだろう。

水晶公 : そこに張本人の「闇の戦士」が現れたら……。
民を疑うわけではないが、
良くも悪くも、収拾がつかなくなる可能性がある。

アルフィノ : 私は、水晶公に賛成かな。
この事態を受けて、今後、ユールモアが動く可能性がある。

アルフィノ : 彼らの出方を見るまでは、
あまり大手を振って、名乗るべきではないと思うんだ。

水晶公 : すまないね……。
ただ、彼らの喜びは、間違いなくあなたの戦果だ。
いずれ名を明かすまで、それを忘れないでいてほしい。

水晶公 : ライナも、すまないが口外禁止で頼む。
皆には、「罪喰いに抗わんとする者が現れた。
その者は大罪喰いを倒して去っていった」と伝えるつもりだ。

ライナ : 了解しました。
公の秘密主義は、今に始まったことではありませんから。
いつもどおり、言わず問わずにしておきます。

ライナ : ……ただ、いつかは聞かせてください。
皆さんの、本当のことを。

水晶公 : では、私は一足先にクリスタリウムに戻り、
民に説明をしておくとしよう。

水晶公 : しばらくそれにかかりきりになるだろうから、
君たちは、戻ったら休息を取ってくれ。
……今夜は窓を覆わずとも、暗く穏やかな夜になるだろう。

ライナ : 私は、ここに留まります。
残ったホルミンスターの住民を移送するために、
指示を出さなければなりませんから。

ライナ : それで、その……お疲れのところ申し訳ないのですが、
居住館の方に戻られるなら、ひとつ伝言を頼めるでしょうか?

ライナ : ムジカ・ユニバーサリスの市場長「ブラギ」に、
けが人が多いので、市場に出ている薬も、
医療館にまわしておいてほしい……と。

アルフィノ : それでは、水晶公に追いつかないよう、
ゆっくりクリスタリウムに戻るとしようか。

アリゼー : ごめん、私も残るわ。
ちょっと……もう一回だけ、ホルミンスターの様子を見てくる。

アルフィノ : しかし、アリゼー……
村の中は、もうくまなく見て回ったよ。
君だって、休めるときには休まないと。

アリゼー : ……気づいちゃったのよ。
戦った罪喰いの中に、知った顔があったこと。

アリゼー : そういうわけだから、ちょっとだけひとりにさせて。
Cloも、今回はついてきたら怒るから!

アリゼー : ……またあとで、休息のあとに会いましょう。
そのときには、いつもの私よ。

アルフィノ : ……では、私たちだけで、帰ろうか。


アルフィノ : うん、見たところ、
クリスタリウムには大きな混乱も起きていないようだね。
水晶公がうまく説明をしてくれたのだろう。

アルフィノ : しかし……ふふ、皆どことなく浮かれた様子だ。
この分じゃ、水晶公の言った「穏やかな夜」には、
ならないかもしれないね。

アルフィノ : 私も、少し街を歩いてから、休むことにするよ。
君も「ブラギ」への伝言が済んだら、ゆっくりするのだよ?

アルフィノ : ……それじゃあ、またあとで。
アリゼーと君に、安らかな休息が訪れますように。

ブラギ : うん、どうした……?
お前も、急いでランプを買いに来たのか?

ブラギ : なるほど、ライナからの伝言だな。
わかった、必ずそのとおりにしておこう……。

ブラギ : ……しかし、ライナとともにいたということは、
お前もホルミンスターでの戦いに赴いたんだな。

ブラギ : それほどの猛者なら……ふむ……
この奥にある酒場「彷徨う階段亭」に、
一度顔を出してみるといいだろう……。

ブラギ : 店主の「グリナード」が、
うまい話を紹介してくれるかもしれないぞ……。

グリナード : サイエラ、ニ番テーブルに麦酒を追加!
三番テーブルには蜂蜜酒を二杯だ!

サイエラ : はい、マスター!

グリナード : おっと、すまん。
お前さんも、呑みにきたのか?
今日は店からの奢りだ、好きな飲み物を選んでくれ!

グリナード : なに……呑みに来たんじゃなく、
ブラギに紹介されて来たって?

グリナード : あっはっは!
お前さん、タイミングがいいんだか悪いんだか!

グリナード : なにせこっちは、100年ぶりに「夜」が訪れたってんで、
ドンチャン騒ぎの最中よ!

グリナード : それに、ホルミンスターが襲われたとき、
何者かが大罪喰いをブチ倒したそうじゃないか!
気の早い連中は「闇の戦士」が現れたと触れ回ってやがる!

サイエラ : 騒がしくて、すみません。
マスターが盛り上がっちゃって……。

サイエラ : しかも、ウチの常連さんには、
罪喰い狩りの賞金稼ぎも多いもので……
「闇の戦士」の後に続けと、気勢を上げてるんですよ。

グリナード : お前さんも、罪喰いどもが、
大罪喰いという上級の個体に率いられているのは知ってるだろ?

グリナード : やつら罪喰いは、群れで動く。
今回のホルミンスター襲撃が好例だ。
だが、こんな大襲撃は頻繁に起こるわけじゃあない。

グリナード : より日常的な脅威になっているのは、「はぐれ」の方だ。
理由は不明だが、時折、群れから離れて行動する個体がいるのさ。
街道でばったり出くわして……なんてこともある。

グリナード : だから、クリスタリウム自治組織「セツルメント」では、
はぐれ罪喰いに懸賞金をかけていてな……。
ウチの酒場は、その賞金稼ぎが集まる情報交換の場でもあるのさ。

サイエラ : 特に、はぐれ罪喰いの中でも悪名高い存在……
通称「四使徒」を狙う人たちは、今回の大罪喰い討伐に、
大いに刺激を受けているみたいですね。

サイエラ : 3年前に突如として現れた四使徒は、
なんと、あの大罪人……光の氾濫を引き起こした者たちと、
そっくりな姿をしているのだとか。

サイエラ : しかも、それぞれが大罪喰いに匹敵する力を秘めていて、
誰ひとりとして、討伐できた者がいない……。

サイエラ : 大物狙いに行き詰まっていた彼らにしてみれば、
「闇の戦士」の出現は、勇気づけられる出来事なのでしょう。
ほら、ご覧になってください……。

サイエラ : あそこにいるヒュム族の剣士、
「グランソン」さんは、憎しみゆえに罪喰いを狩る復讐者です。
目的の使徒を倒すために、屈強な戦士を探しておられます。

サイエラ : 向こうのミステル族の若者、「ルー・リーク」君は、
若さに似合わず、とても羽振りがいい裕福な賞金稼ぎです。
最近、相棒と別れたそうで、次に組む相手を求めているとか……。

サイエラ : もう一方の弓を背負った男性……
「ケリッグ」さんも、使徒狙いのひとりです。
魔法に詳しい人がいたら紹介してほしいと頼まれています。

サイエラ : それから……ずんぐりとしたヒゲ面の大酒飲み……
ドワーフ族の「ジオット」さんは、癒し手を募集していたはず。
なんでも、標的の使徒を倒すために知恵を借りたいそうで……。

サイエラ : 見たところ、貴方もかなりの腕利きのようですね。
彼ら賞金稼ぎたちと協力すれば、四使徒を倒すことも……
興味がおありでしたら、ぜひ彼らに声をかけてみてください。

グリナード : そりゃあいい。
この店の客から使徒狩りの英雄が現れたら、
マスターの俺としても誇らしいってもんだからな!

ペンダント居住館の管理人 : おかえりなさいませ、Cloさん。

ペンダント居住館の管理人 : 今や街は大変な騒ぎですし、
出歩くだけでもお疲れになったでしょう。
お部屋に戻って休まれますか?

ペンダント居住館の管理人 : 承知いたしました。
夜に備えて灯りも点検しておきましたので、
どうぞごゆっくり、お休みください。

アルバート : 今度はお前たちが「闇の戦士」か……。
皮肉なもんだな。

>ここ自分の部屋なんですけど?

アルバート : うん……?
だから話しやすいんだろ?

アルバート : やっぱり、ほかの奴には俺が見えていないらしい。
そんな状況で話をしたら、
周りから怪しく思われるのはそっちだぞ。

アルバート : あの白い双子……。
確か、原初世界で俺と戦ったときにもいたな。

アルバート : あいつらとは、もう組んで長いのか?

アルバート : そうか……。

アルバート : だとしたら、しっかり護っておくんだな。
誰かを救おうと突き進むほど、
自分にとって大事な何かを失うものだ。

アルバート : ……お前だって、散々そういう経験をしただろう?
今回は、何を救って、何を失うやらだ。

アルバート : 俺はいつ、嘆くことすら諦めたんだっけな……。

アルバート : さまよいながら、うんざりしたんだ。
仲間を失うのも……あいつらが最期に遺した想いさえ、
悪と踏みにじられるのも。

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白衣の少女 : これが、本当の夜空……。

白衣の少女 : 会いに行かなくちゃ……そうすれば、きっと……。

帝国軍の千人隊長 : 緊急配備!
侵入者を探せッ!

エスティニアン : チッ、邪魔だ!

???? : そこまでだ。
その者は我が同志……帝国の兵ではない。

ガイウス : なぜ、我らの潜入が気取られたのかと思ったが、
まさか、ほかに侵入者がいたとはな……。

ガイウス : その鎧と槍さばき……
先日、かの英雄を戦場から救い出した、
竜騎士エスティニアンと見受けるが?

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エスティニアン : なるほど、大層な情報通だ……。
元軍団長ともなれば、どこにでもツテがあるらしい。

エスティニアン : そうだろう、ガイウス・バエサル。
いや「影の狩人」と名乗っているんだったか?

ガイウス : ほう……。
それを知るとなると、やはり「暁」と通じているか。

エスティニアン : ……こちらが望んだわけじゃないがな。
居場所を掴まれて、事情を押し付けられたのさ。

エスティニアン : あの受付嬢、どこかのスパイでもやっていたのか?
クルルとかいう女も、どうして一度や二度見ただけで、
俺のエーテルを追跡できる……。

ガイウス : ふむ、外の者を頼っているのは、
あの少年らが、いまだ目覚めていない証……。

ガイウス : かの英雄は、どうしている?

エスティニアン : さてね……出張中だそうだ。
それで俺が、帝国の新兵器潰しに、
駆り出されているってわけさ。

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ガイウス : 新兵器……「黒薔薇」のことであれば、
我らの同志が、今しがた破棄に成功したところだ。

ガイウス : ただし、ここも精製工場のひとつにすぎぬ。
此度はずいぶんと警戒して、
以前よりも多くの場所で、増産を進めているらしい。

ガイウス : 度し難いことだ……。
あのような死の兵器でもたらす勝利に、
いったい、どれほどの価値がある……!

エスティニアン : ……実際、どんな兵器なんだ?
その「黒薔薇」ってのは。

ガイウス : その効きようから「毒」と呼んでいるが、
あれの本質は、魔法に近い。

ガイウス : あらゆる生物が有する、生命エネルギー……エーテル
「黒薔薇」は、その循環を強制的に停止させるのだ。

ガイウス : ごく少量でも吸い込めば、体の活動が停滞……
毒に侵されたかのように、穢れをため込み、死に至る。

ガイウス : 都市に散布すれば、いっさいの破壊を経ることなく、
住人のすべてを抹殺できよう。

帝国軍の千人隊長 : ええい、まだ見つからないのか!
応援を呼べ、今すぐに!

エスティニアン : チッ……。
話す時間は、もうなさそうだ。

ガイウス : 竜騎士エスティニアンよ……。
これもまた、あの少年が導いた縁として、
一度だけ問うとしよう。

ガイウス : 我らは、ともに真実を追い求める身。
……しばし手を組まぬか?

エスティニアン : ハッ……!
俺と組んで、祖国に殴り込みでもかける気か?

エスティニアン : なんでも、アシエンに造られた国だったと、
皇帝陛下おんみずから宣ったらしいじゃないか!

ガイウス : ……その件については、我も聞き及んでいる。
開戦前の会談場で、ヴァリス陛下がそうおっしゃったとな。

ガイウス : ゆえにこそ、すべての真相を知るために、
赴かねばならぬのだ……。

ガイウス : 帝都「ガレマルド」、魔導城へ……!

漆黒のヴィランズ メインクエスト『大罪食い』

水晶公 : 3人とも、よくぞ戻ってきてくれた。

水晶公 : 第一世界をとりまく状況について、
改めて、わかってもらえただろうか?

アリゼー : ええ、目の当たりにしてきたわ……。

アリゼー : 「光の氾濫」から逃れたのは、わずかな地。
そこに生きる人々は、罪喰いの脅威にさらされ続けている。

水晶公 : ああ……。
あれらを退けるのは、途方もない話にも聞こえるだろう。

水晶公 : だが、人は多くの犠牲を払った結果、
ひとつの可能性を見出すに至った。

水晶公 : 罪喰いたちの集団を束ねる、上位の個体……
「大罪喰い」の数は、限られているとわかったのだ。

水晶公 : 蟻が女王なくして巣を作り得ないように、
「大罪喰い」さえ倒してしまえば、
有象無象のものは、一帯での活動を諦めるだろう。

アルフィノ : ……しかし、罪喰いの討伐を、ユールモアが許すだろうか?

アルフィノ : ドン・ヴァウスリーは、
罪喰いを操れることを最大の武器にして、
統治体制を築いている。

アルフィノ : そこに、罪喰いを倒して回るものが現れれば……
最悪、敵対もしてくるだろう。

水晶公 : そのとおり。
つまり、場合によってはユールモアをけん制しつつ、
大罪喰いの討伐を目指さなくてはならないだろう。

水晶公 : それが私の……
そして、第八霊災を防がんとするあなた方の、
現在の目的ということになる。

>それで本当に霊災が防げるのか?

水晶公 : ふむ……。
それでは少しだけ時間を拝借して、
世界の統合や霊災とはいかなるものか、説明するとしよう。

水晶公 : 太古の昔……
たったひとつだった世界は、14の世界に分かたれた。

水晶公 : あなた方のいた「原初世界」。
そして、第一世界を含む、13の「鏡像世界」だ。

水晶公 : これらの世界は隔たれているものの、互いに干渉しあっている。
とくに、おおもとである原初世界とはね。

水晶公 : ……ここで、ある鏡像世界にて、
特定の属性の力が、異様に高まったとしよう。

水晶公 : すると、水が高いところから低いところに流れるように、
高まった属性の力が、原初世界に流れ込みはじめる。

水晶公 : 当然、原初世界にも、影響がでるだろう。

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水晶公 : それが火属性ならば、大火や日照りに。
氷属性なら、過酷な寒波に……という具合だ。

水晶公 : 異常はどんどん起きやすくなり、
何かのきっかけで、大規模な災害が発生……
世界を隔てる壁に、割れ目が生じたとしたら?

水晶公 : 原初世界に向けた、力の奔流が発生。
その勢いで、世界は統合される。

水晶公 : 同時に、鏡像世界が有していた偏った属性がすべて流れ込み、
きっかけとなった災害を、一気に助長する。

水晶公 : 地震に土属性の力が加われば、それは地殻さえも砕くだろう。
津波に水属性ならば、大陸すら飲み込む規模になる。

水晶公 : それが「霊災」と呼ばれているものの正体だ。

水晶公 : これまでに、7つの霊災を伴いながら、
7つの鏡像世界が統合されてきた……。

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水晶公 : 今、光に偏っている第一世界もまた、
統合の条件を満たす可能性が、かぎりなく高いと言えるだろう。

水晶公 : そして、光に偏る一因を担っているのが、やはり罪喰いだ。

水晶公 : さきほど話した「大罪喰い」は、
自らのテリトリーに強い光を振りまく。

水晶公 : 「光の氾濫」自体を回避したはずのノルヴラントが、
夜を失うほど光で満たされているのも、それが原因だ。

水晶公 : したがって、「大罪喰い」の討伐は、
第一世界の属性バランスを正常に戻し、統合を防ぐためにも、
必要不可欠なんだ。

アリゼー : 私たちは、この話を前に聞いてね。
それぞれのやり方で、準備を進めていたんだけど……。

アルフィノ : 具体的な成果は、まだ。

アルフィノ : 「大罪喰い」は、なかなか姿を現さないというのもあるが、
殊にある特性によって、君の到来を待つしかなかったんだ。

ライナ : お話し中、失礼いたします!
水晶公、緊急事態発生です……!

ライナ : ホルミンスターの地が、罪喰いに襲撃されているとの報告あり。
敵はかなりの数らしく、村が全滅する恐れもあると……!

水晶公 : ホルミンスターを襲った罪喰いが、
クリスタリウムに流れてくる可能性もある。
各門、警戒態勢をとるように命じてくれ。

水晶公 : お前自身は、現場の指示を頼む。
ただし、突入は私が行ってからだと、
アルフィノとアリゼーにも伝えてくれ。

ライナ : ハッ!

水晶公 : どうか、あなたの力も貸してほしい。
話の続きは、あるいはこの戦いで、自ずと知れよう。

水晶公 : では、私たちも、早急に戦闘の準備を整えて出立しよう。
襲われている「ホルミンスター」の村は、
イクランドの北方にある。

水晶公 : 詳しい場所は、直接案内しよう。
クリスタリウムを出たら、まず西へと直進してほしい。
「従者の門」の先に分岐路があるから、そこで合流しよう。

水晶公 : よく来てくれた。
この街道に沿って北上すると、
「北の集結地」という衛兵団の拠点があるのだ。

水晶公 : 目的の「ホルミンスター」には、そこから向かうことになる。
さあ、急ごう……!

水晶公 : この先に広がる森を抜けると、「ホルミンスター」だ。
クリスタリウムから少し距離はあるが、
同じ地域にある集落として、協力関係を結んでいる。

水晶公 : 状況はどうなっている?

ライナ : 近年まれに見る規模の襲撃です。
衛兵団を可能なかぎり投入していますが、
救出できた村人は、半数にも至っていません……。

ライナ : あれだけの数の罪喰いを従えているとなると、
中心にいるのは、「大罪喰い」の1体と見て間違いないかと。

アリゼー : 噂をすれば、ね……。
討伐するチャンスでもあるってことだけど。

ライナ : 討伐? とんでもない!
「大罪喰い」を倒すとどうなるか、ご存じないのですか?

ライナ : 連中は、ほかの罪喰いと比較にならないほど、
膨大な光の力を有しています。

ライナ : 倒せば、それが一気に解き放たれ……
近くにいる別の生物を、新たなる「大罪喰い」にするのです。

水晶公 : それについては、考えがある。
「大罪喰い」の相手は、私たちに任せてほしい。

水晶公 : 衛兵団は、引き続き生存者の救出を。
ひとりでも多く、助けるんだ。

ライナ : で、ですが……!

ライナ : ……いえ、了解しました。
ただし、私も公たちに同行させてください。
衛兵団の長として、皆さんだけを行かせるわけにはいきません。

水晶公 : わかった。
それでは、大罪喰いのところへ向かうのは、
私、アルフィノ、アリゼー、ライナ、そして……

水晶公 : 頼もしいよ。
……では、「ホルミンスター」に突入だ!
大罪喰いを発見したら、躊躇することはない、倒してくれ!

【ヒントトーク
水晶公 : 戦いでは、あなたに指示を委ねよう。
それなりに長生きしてきた結果、
器用貧乏ではあるが、ひととおりの役割はこなせる。

水晶公 : 魔法を使った治癒や攻撃はもちろん、
魔力を剣と盾に変えて、守備に重点を置くようなこともね。

ライナ : 大罪喰いへの対策なんて、本当にあるのでしょうか……。
公が嘘をついているとは思いませんが、
何かあれば、私が容赦なく皆さんを離脱させます。

ライナ : これでも、衛兵団の団長ですので。
この武器も武踏も、見た目ほど軽くはありませんよ。

アリゼー : 大罪喰いの大規模な狩りがはじまったことと、
罪喰いが仲間を増やすためにアム・アレーンまで来たこと……
もしかしたら、無関係じゃないのかも。

アリゼー : なんにせよ、ついに親玉と戦えるなら、
これまで磨いてきた赤魔法を、お見舞いしてやるわ!

アルフィノ : 大罪喰いを倒しても、新たな大罪喰いが生まれてしまう。
それこそが、さきほど星見の間で話そうとしていた問題だ。

アルフィノ : 水晶公がどれほど綿密に対策を立てたにせよ、
危険はあるだろうが……信じて私は行くよ。
治癒や補助なら任せてくれ!

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ライナ : まずい、大罪喰いから光の放出がはじまりました……!

ライナ : あれを浴びるわけにはいきません。

水晶公、やはり撤退を……!

水晶公 : いいや、撤退は不要だ。

水晶公 : 確かに、大罪喰いを殺せば、有していた膨大な光が放出される。
その光は新たな大罪喰いを生み出し……
人類はこの100年、まともに反撃すらできなかった。

水晶公 : しかし……
唯一、それを相殺できる力がある。

水晶公 : それこそが、「光の加護」と呼ばれし力。
ゆえに私は、彼をここへと喚んだのだ……!

水晶公 : 見よ!
大罪喰いが放っていた光、
それによって変じていた世界が、今、戻る!

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モーレン : 天の、暗き海……。

モーレン : 闇の戦士が、現れたんだ……!

ライナ : なんて、美しい……これはいったい……。

アルフィノ : 夜空さ、本当の……。
あるべき闇が、戻ったんだ。

ライナ : あなたたちは、何者なんですか?

ライナ : 大罪喰いを倒し、その光を受けても平気だなんて……
それに、この空……まるで伝承の……!

ライナ : 水晶公…………?

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水晶公 : 彼方の英雄よ。
私は、長い長い年月、待ち続けていた。

水晶公 : 光の加護を持ち、
罪喰いを討ち滅ぼすことのできる……あなたのことを。

水晶公 : 今、あなたによってレイクランドに座した大罪喰いが討たれ、
この地に在るべき闇が戻り、正しき夜が訪れた。

水晶公 : 力なき罪喰いはもはや、闇の戻りしこの地に、
根を下ろすことはできないだろう。

水晶公 : しかし……
取り戻せたのは、恐らくこの一帯のみ。

水晶公 : 各地にはまだ大罪喰いが潜み、
光で覆った空のもと、生命を食い尽くさんとしている。

水晶公 : 私は、この滅びの定めに、反逆したいんだ。
最大にして……最後の抗いを……!

水晶公 : それが、そちらの世界を救うことに繋がるとしても、
あなた方を強引に喚んだことは、私の身勝手にほかならない。

水晶公 : この非礼は、いずれ必ず……私の力、命を懸けて償おう。
だから、今は……!

水晶公 : 私たちに、力を……!
罪喰いを倒し、世界に闇をとりもどしてほしい……!

水晶公 : ああ……!
ありがとう…………!

アリゼー : それにしても、
あなた、どうしてそこまでして戦うの?
私たちを喚ぶのにだって、すごく苦労したでしょうに。

水晶公 : もちろん、この地に生きる人々のため……
クリスタリウムの民に、平和な明日をもたらすためだ。

アリゼー : それは、否定しないけど……
あなたがクリスタルタワーを喚んだときには、
まだ街はなかったのよね?

アリゼー : だから、最初のきっかけは何だったのかっていう話よ。

水晶公 : ……救われてほしい人がいるのだ。

水晶公 : その人の未来を繋げるならば……
私は、世界ひとつ、救ってみせる。

水晶公 : 意外だろうか?
だが、これ以上の追及は、今は許してくれると嬉しい。

水晶公 : 私はこれでいて、結構な老人なのだ。
己を語る言葉のひとつひとつが、
どうにも膨らみすぎていて、胸につかえてしまう。

アリゼー : ……わかったわ。
無理に聞こうとして、ごめんなさい。

アルフィノ : 私たちも、引き続き一緒に戦うよ。
遠くで待っている人たちのためにも、必ず罪喰いを倒そう!

水晶公 : それでは、保護した村人たちをつれて、戻るとしよう。

ライナ : まるで、空が高くなったかのようにさえ思います。 見上げていたいですが、まずは彼らの手当と移送ですね。

アリゼー : これで、一段落よね? だったら……。

アルフィノ : イクランドも、こうして見ると違って感じるものだね。

水晶公 : おつかれさま。 そして、ありがとう……Clo。

水晶公 : あなたのおかげで救われた命があり、こうして空も戻った。 たった一歩、されど大きな一歩だ。 ……ああ、本当に!

漆黒のヴィランズ メインクエスト『樹葉に射す天光』

チャイ・ヌズ : ……む、いつの間にやら助手と話し込んでいるではないか。
下絵の方は、進んでいるんだろうな?

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チャイ・ヌズ : こ、これは……!?

チャイ・ヌズ : おい、どういうことだ!
これではあまりに……そのままじゃないか!

チャイ・ヌズ : 画家なら、もっと気の利いた絵にすべきだろう!
豪奢で華やかに、それでいて気品にあふれ、
見るものすべてを圧倒するくらい美しく……!

アルフィノ : しかし、旦那様……。
これは結婚記念の夫婦の肖像画なのでしょう?
おふたりは、そのままが一番、仲睦まじく……

チャイ・ヌズ : そ、の、ま、ま、だと!?
私たちは現実を知りたいわけではない、
完成したときに「なんて美しい!」と喜べればそれでいいんだ。

チャイ・ヌズ : わかったら、とっとと描きなおしを……!

男性の悲鳴 : う、ぐ、あああぁぁ……ッ!

チャイ・ヌズ : なんだ……?
上の階からか……?

赤い衣の道化師 : みんな~!
タイヘン、タイヘン、一大事だよぅ!

赤い衣の道化師 : この街の秩序を乱す、不届き者が現れたんだ!
うぅ~怖いねぇ!

青い衣の道化師 : でもでも、ご安心あれ!
不届き者は、すでにドンが捕まえてるよ!

青い衣の道化師 : 正義の鉄槌、秩序の回復!
ドンのお裁きをご観覧になりたい方は、
急いで「元首の執務室」に集合だ~!

ドゥリア・チャイ : あらぁ……不届き者なんて、怖いわねぇ……。

アルフィノ : あの、裁きというのは……。

チャイ・ヌズ : ああ、気になるなら見てきてもいいぞ。
執務室は、ここよりもさらに上……
元首のための階「樹葉の層」にあるんだ。

チャイ・ヌズ : 普段は立ち入っていい場所じゃないが、今なら大丈夫だろう。
南側の「クラウンリフト」前にいる警備兵に言えば、
案内してくれるはずだ。

アルフィノ : ……行ってみよう。

ドゥリア・チャイ : あなたたちが、不届き者に襲われないか心配だわ。
ヴァウスリー様の御前だから、大丈夫だとは思うけれど……。

チャイ・ヌズ : 執務室は、さらに上の「樹葉の層」にある。
南側にある「クラウンリフト」に乗ればすぐだぞ。

チャッデン : ドンのご意向で、今は執務室を開放している。
……お前も行くか?

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アルフィノ : あれが……
ユールモアの元首、ヴァウスリー!

アルフィノ : あのとりまきは、罪喰いか……?
人を襲いもしないなんて……これが、彼の力なのか……。

???? : う……ううっ…………。

アルフィノ : あれは……!

アルフィノ : カイ・シルじゃないか!
いったい、どうして……!?

ヴァウスリー : ンン……なんだ、お前たちは……。
勝手に飛び込んできて、失礼な奴メ……。

アルフィノ : ドン・ヴァウスリー!
これは何事か、なぜ彼が傷ついているのです!

ヴァウスリー : なぜって……罪を罰するのは当然だろウ。
そいつは、嘘をついたんダ。

ヴァウスリー : 敏腕商人だというから招き入れてみたが、
叩けば叩くほど、ボロが出ル。

ヴァウスリー : ユールモアは、支え合いでできている、愛の都だゾ?
与えることもできないのに、与えてもらおうだなんて、
許しがたいゴミくずダ!

ヴァウスリー : だ~か~ら!
私は嘘の罰として、そこから飛んで出ていけと命じたんダ。

ヴァウスリー : なのに、「それだけは許してください」なんて、
ぴーぴー泣きわめく……。

ヴァウスリー : 慈悲深き長としては、
別のことで誠意を見せてもらうしかないだろウ?
ンン……?

アルフィノ : 何を……させたんだ……!

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ヴァウスリー : 罪喰いは、ユールモアの同胞。
そして、生き物の体を構成するエーテルは、その餌になル……。

ヴァウスリー : だからそいつには、肉を捧げろと言ったのサ!
自分で、自分の体から、削ぎ取って!

ヴァウスリー : な~の~に~ぃ!
それすらも、最後までやりとげられないときタ!

ヴァウスリー : まったくもって、面白くもありゃしなイィィ!!

アルフィノ : ……確かに、カイ・シルには偽りがあったかもしれない。
だが、彼は本当に強く、この都市にあこがれていたんだ。

アルフィノ : それに、このような暴力と辱めで応じるのが、
ユールモアの民なのかッ!

ヴァウスリー : はぁ……浅はかな奴メ……。
この壊れた世界に、夢のある楽園を築くことが、
どれだけ難しいと思ウ?

ヴァウスリー : 必要なのは、永久に脅かされることのない安全と、
たったひとつの、ゆるぎなき秩序ダ。

ヴァウスリー : そして、それをもたらすことができるのは、
罪喰いを従えられる、私だけ……。

ヴァウスリー : ゆえに、私こそが絶対の正義!
その言葉に従えない者は、処断すべき悪党なのダ!
どんな些細なことでもナ!

アルフィノ : これの何が楽園か……ッ!

ヴァウスリー : ところでお前、ここにいるからには、腕を買われたんだろウ?
何のために雇われたんダ?

アルフィノ : ……絵を、描くためだ。

ヴァウスリー : ほほう、画家か。
ならば、私のために、一枚描くがいい。

ヴァウスリー : 綺麗に描けたら、此度の無礼を許してやろウ。
引き続き、ユールモアに住まわせてやるゾ?

ヴァウスリー : オイ、何を勝手なことをしていル?
私が、絵を描けと言っているのだゾ?

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アルフィノ : あなたに必要なのは、絵画ではなく鏡だ。
醜悪の塊が煮崩れたようなご自身を、
一度よくご覧になるといい。

ヴァウスリー : あいつら、わたた、私、を?
この、私を、ぶべっ、侮蔑……。

ヴァウスリー : あいつら、あいつら、許さなイィィ!

ヴァウスリー : 人形にだってしてやるものカ!
苦しめて、辱めて、殺してやるウゥゥゥッ!!

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アルフィノ : …………。

アルフィノ : ……勢いでここまで出てきてしまって、すまない。
中にはもう戻らない方がよさそうだし、
このままコルシア島を出よう。

アルフィノ : 世界政府を名乗るユールモアの実態は、十分にわかった……
こちらが罪喰い討伐を目指すのであれば、
簡単には手を取り合えないだろうということも。

アルフィノ : 私は、君とともにクリスタリウムへ戻るよ。
新たな道を見つけ、先へと進むために。

アルフィノ : カイ・シル……。
謝ってすむことではないが、君には本当にすまないことをした。

アルフィノ : 君が純粋だったからこそ……
私は君に、嘘なんてつかせるべきではなかったんだ。

カイ・シル : よしてください……。
いろいろ教えてもらったのに、うまくできなかったのは俺だ。
全部、自業自得なんです。

カイ・シル : それなのに、アルフィノさんたちは、俺を助けてくれた……
本当にすみませんでした……ありがとうございます……。

アルフィノ : どうだろう、君さえよければ、
一緒にクリスタリウムに来ないかい?
働き口も、きっとあるはずだ。

カイ・シル : いえ……。
それじゃあ俺、また周りに頼ってるだけです。

カイ・シル : しばらくは、ひとりで……
ちゃんと生きていく方法を、探してみたいと思います。

アルフィノ : ……わかった。
だが、ユールモアからの追手がかかるかもしれない。
それだけは気をつけてくれよ。

カイ・シル : はい、おふたりこそ。
このご恩は、いつか必ず返します……
それまで、どうかご無事で。

???? : ぜぇ、はぁ……アルフィノちゃん!

アルフィノ : チャイ夫妻……。

チャイ・ヌズ : お前たち、何をやらかしたんだ!?
中では今、画家はどこだと大騒ぎだぞ!

ドゥリア・チャイ : ……アルフィノちゃん、
私、あなたの描いてくれた下絵を見たわ。

ドゥリア・チャイ : いままで、綺麗で豪華な絵をたくさん描いてもらったけど、
あなたの絵は、ちょっと違ってて……
まるで、私たち夫婦が、そのまま絵の中に入ったみたいだった。

ドゥリア・チャイ : ねえ、とっても気に入ったのよ。
だからどうか、ここに残って、続きを描いて……!
ドンにはきちんとご説明するし、不自由はさせないから!

アルフィノ : ……いいえ、奥様。
あなたには申し訳ありませんが、
私が今ここで為すべきことはありません。

ドゥリア・チャイ : 為すべきこと……?
毎日を楽しく、幸せにすごすことのほかに、
何をしなければならないというの?

アルフィノ : ……やはり、私たちは行きます。
この服も、お返ししましょう。

ドゥリア・チャイ : そんな……!
せめてそれは、そのまま着ていって!

ドゥリア・チャイ : それから、私からお願いして、
街の門は、こっそり通れるようにしておくわ。
だから……いつか必ず、また来てちょうだい。

アルフィノ : ……わかりました。
ならばこれを、私の怒りの記憶、誓いとしましょう。

アルフィノ : 次にお会いするときは、この街の欺瞞を正すときである……
そのことを、常、忘れぬために。

アルフィノ : Clo……。
改めて、ここまでつきあってくれたことに感謝するよ。

アルフィノ : 喜ばしい結果でなかったとはいえ、
ユールモアの実態や考えが知れたことは、
第一世界の救済を考える上でも、意味があったと思う。

アルフィノ : さあ、クリスタリウムで待つ、水晶公のもとへ戻ろう。
そこからまた、何度でも……私は諦めないさ。

アルフィノ : コルシア島への旅、おつかれさま。
アリゼーと会うのは、しばらくぶりなのだが……
うん、彼女も覚悟は決まっているようだ。

アルフィノ : 君も、ふたつの地域を旅して、第一世界の状況をつかめたはず。
こちらと原初世界、両方のために何をすべきか……
今こそ水晶公と話そうじゃないか。

漆黒のヴィランズ メインクエスト『せまりくる誘惑』

たおやかな自由市民 : そういえば、あなた、ご自分のお仕事はよろしかったの……?

たおやかな自由市民 : あら、街を見学中だったのね!
だったら、「キャバレー・ビーハイヴ」にも行くといいわ。
たくさんの人が集まって、とってもにぎやかなの。

たおやかな自由市民 : いつもどおりなら、「ティスタ・バイ」という女性が、
入口近くの席に座っているはずよ。
彼女なら、いろいろな話をしてくれるはず……あなた次第でね!

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ティスタ・バイ : ようこそ、キャバレー・ビーハイヴへ。
優雅な日常に、蜂のひと刺しのような刺激はいかがかな?

ティスタ・バイ : 君、新入りだろう?
わかるよ、まだ空気に馴染んでない。
……そういうの、とてもそそられるね。

ティスタ・バイ : どうだろう、私とカードでひと勝負。
どちらの手札の数が大きいかを当てる、
ごく簡単な「ハイ・アンド・ロー」さ。

ティスタ・バイ : 君が勝ったら、なんでもひとつ、お願いを聞くよ?
気が向いたら是非……声をかけてほしいな。

ティスタ・バイ : 私と「ハイ・アンド・ロー」の勝負をしてくれるのかい?

ティスタ・バイ : いいね、それじゃあはじめようか……。

ティスタ・バイ : それじゃ、3枚ずつ手札を配ろう。
君はそのうち1枚を開示、私は2枚開示する。

ティスタ・バイ : さて……。
君の手札の合計は、私の手札の合計より、
「低い」と思う? 「高い」と思う?

ティスタ・バイ : へぇ、「高い」と思うんだね。
それじゃあ、答えを見てみようか。

ティスタ・バイ : 私の手札の合計は「8」だ。
さて、君の手札の合計は……?

ティスタ・バイ : 「21」だね。

ティスタ・バイ : おめでとう、君の予想どおりだ。

ティスタ・バイ : 君の勝ち……にしてもいいんだけれど、
せっかくだ、もう1戦くらい遊んでくれないかい?
よければまた、声をかけてよ。

ティスタ・バイ : もう一度、私と「ハイ・アンド・ロー」で遊んでくれないかな。
頼むよ、かわいい新入りクン。

ティスタ・バイ : ありがとう、それじゃあ再戦といこうか……。

ティスタ・バイ : それじゃ、3枚ずつ手札を配ろう。
君はそのうち1枚を開示、私は2枚開示する。

ティスタ・バイ : さて……。
君の手札の合計は、私の手札の合計より、
「低い」と思う? 「高い」と思う?

ティスタ・バイ : へぇ、「高い」と思うんだね。
それじゃあ、答えを見てみようか。

ティスタ・バイ : 私の手札の合計は「7」だ。
さて、君の手札の合計は……?

ティスタ・バイ : 「16」だね。

ティスタ・バイ : おっと……君の予想どおりみたいだね。

ティスタ・バイ : おめでとう、今度こそ君の勝ちだ。
約束どおり、なんでもひとつ、お願いを聞くよ。

ティスタ・バイ : それで、何がお望みかな?
身分なんて気にしなくていいから、素直に言ってよ。

ティスタ・バイ : ……新入りだから、この街について知りたい?
まあいいけれど……ずいぶんとかわいいお願いだね。

ティスタ・バイ : ユールモアのもっとも素晴らしい点は、
なんといっても、罪喰いに襲われないってところかな。

ティスタ・バイ : 元首のドン・ヴァウスリーには、生まれながら、
「罪喰いを従わせる能力」が備わっているんだって。
それで、この街は戦う必要がなくなったってわけさ。

ティスタ・バイ : ……という話でよかったかな?
もっと勉強したいなら、あそこで酔ってる「アサーン」なんか、
得意げに語ってくれると思うよ。

アサーン : うん……?
この街について教えてほしいって?

アサーン : あっはっは、これまたずいぶん性急だなぁ!
教えるのは構わないけど、楽しく歓談するためには、
もっと余裕を持たないと!

アサーン : そうだ、一度ステージの上で「踊って」おいでよ。
話は身も心もほぐれてからだ!

アサーン : ヒュウヒュウ!
なかなかやるじゃないか!

アサーン : いやぁ、いいね、君の踊り! 実に個性的だ!
ここのステージはいつでも乱入歓迎だから、
気が向いたら、また踊ってくれよ?

アサーン : それで……そう、この街についてだったね。
今でこそ平和なユールモアも、先代の元首のころまでは、
罪喰いと戦っていたことはご存知かな?

アサーン : ユールモア軍といえば、最強の代名詞みたいなものだけど、
その力をもってしても、罪喰いとの戦いでは甚大な被害が出た。

アサーン : 変わったのは、20年前……
先代のご子息、ヴァウスリー様が元首になってからさ!

アサーン : 彼の力によって、罪喰いは敵ではなくなった。
それどころか、ドン・ヴァウスリーの庇護下で生きる、
同胞になったといっても過言じゃないね。

アサーン : よその地域は、まだ戦いを続けているらしいが……
本当に愚かだとしか思えないよ。
ドン・ヴァウスリー万歳!

ドゥリア・チャイ : あら助手ちゃん、おかえりなさい。
もう見学しおわってしまったのかしら?

ドゥリア・チャイ : 時間は気にせず、もっとゆっくり見てきてもいいのよ。
アルフィノちゃんの作業も、まだはじまっていないことだし。

チャイ・ヌズ : ああ、心配するな。
あの画家なら、間もなく戻ってくるはずだ。

チャイ・ヌズ : ……ほらな。

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アルフィノ : いただいた服に着替えて参りました。
こちらでよろしいでしょうか……?

ドゥリア・チャイ : あらあら、まあまあ!
さっき試着したお洋服も素敵だったけれど、
これも凛々しくていいわぁ~!

ドゥリア・チャイ : アルフィノちゃんったら、本当にかわいいんだから!
何を着てもらうか、困っちゃう~!

>楽しそうな仕事デスネ

チャイ・ヌズ : まったくだ!
そいつは画家であって、モデルじゃないんだ。
そろそろ絵を描きはじめてもらわないと困る!

ドゥリア・チャイ : そうなの……?
確かに絵を描いてもらうのは大好きだけれど、
今だって、こんなに楽しいのに……。

チャイ・ヌズ : いや、その、ダメというわけでは…………

チャイ・ヌズ : か……描く準備もさせてやるんだぞ……。
仕事ができなくて気をもむのは、そいつなんだから……。

ドゥリア・チャイ : フフッ、はぁ~い!
次は一緒に宝石を選んでくださいね、あなた!

ドゥリア・チャイ : アルフィノちゃんには、もっとフリフリの服も似合うけれど……
本人が、できるだけ旅装みたいなほうが、
慣れているからいいって言うの。

ドゥリア・チャイ : だからあれを選んだのよ。
街中ではあまり見かけないスタイルだから、とっても鮮烈ね!

チャイ・ヌズ : どうにかして、画家が仕事に取り掛かれるようにせねば……
結婚記念日あわせの夫婦の肖像画が、間に合わなくなる!

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漆黒のヴィランズ メインクエスト『ユールモア見学』

アルフィノ : ……それでは、君は街の中を見学してくるといい。
ありのままを……くまなくね。

アルフィノ : まずは、この「樹梢の層」を……
中でも人の集う、商店の周りを見てみるのはどうかな。
積極的に声もかけて、ユールモアのことを学ぶんだ。

アルフィノ : ひととおり見学がおわったら、ここに戻ってきてほしい。
……頼んだよ、Clo。

ドゥリア・チャイ : さあ、好きに街を見ていらっしゃい。
外周の「スカイフロント」は、ちょっと狭いから、
落ちないようにだけ、気をつけるのよ。

チャイ・ヌズ : うちの妻がいいと言うんだから、お前は好きに見学してこい。
ただし、浮かれすぎて、騒動なんぞを起こすなよ。
品のない行動も、慎むように!

たおやかな自由市民 : あら……?
見慣れないお顔だけれど、
もしかして新しくいらっしゃった方かしら?

たおやかな自由市民 : はじめまして、これからよろしくね。
……ところであなた、うちの使用人を見かけなかったかしら?
髪を束ねた、屈強な男の人よ。

たおやかな自由市民 : 一緒にお買い物をしていたのだけれど、
私ったら、途中でハンカチを落としたことに気づいたの。
彼が探してきてくれるというから、待っているのだけれど……。

たおやかな自由市民 : やっぱり、ひとりで待つなんて心細いわ。
もしそれらしき人を見かけたら、
ハンカチはいいから戻ってきてと伝えてもらえるかしら?

屈強な労役市民 : た、助かった……!

屈強な労役市民 : 本当に、ありがとうございます。
あなたが通り掛からなかったら、どうなっていたことか。

屈強な労役市民 : 実は、大事な奥様のハンカチが、
風に飛ばされたのか、手すりの外側に引っかかっていて……
どうにか回収したものの、足を滑らせてしまったのです。

>たかだかハンカチでは?

屈強な労役市民 : とんでもない!
奥様の……主のものであれば、なんだって大事な宝です。

屈強な労役市民 : それを失くしてしまうことで、奥様が一瞬でも悲しむなら、
私は何をしてでも、このハンカチを回収するでしょう。

屈強な労役市民 : ……私は最初、少し楽な暮らしがしたいという浅はかな理由で、
この街に入ってきました。

屈強な労役市民 : しかし、ユールモアにあったのは富だけではなかった。
ここにはいかなる争いも持ち込まれず、
住民は互いを慈しみあっている……。

屈強な労役市民 : 奥様も、私に大変よくしてくださっています。
この時代に、こんな幸福な場所は、ほかにありません!

屈強な労役市民 : ……って、ちょっと熱く語りすぎましたね。
ごめんなさい、本当に幸せなもので、つい……。

屈強な労役市民 : よければ、助けてくださったあなたのことを、
奥様に紹介させてください。
きっと、優しくねぎらってくださいます。

屈強な労役市民 : えっ……!?
奥様が寂しがっていたので、私を探してくださったと!?

屈強な労役市民 : ああ、なんという……!
急いで、ともに奥様のもとへ戻りましょう!

たおやかな自由市民 : 話は聞いたわ。
うちの使用人を助けてくださって、本当にありがとう。

>あなたは素晴らしい主だそうで…?

たおやかな自由市民 : あらあら、私なんてちっとも特別じゃないのよ。
労役市民たちのおかげで、日々暮らせるのだもの。
私たち自由市民はみんな、感謝しながら彼らに接しているわ。

たおやかな自由市民 : 外では、身分が違うと偏見や対立も起こるのでしょうけど……
この街では、そんな寂しいことにならないように、
素晴らしい施策が行われているの。

たおやかな自由市民 : そのうちのひとつが、自由市民の財産放棄ね。
市民として登録される際に、個人の財産……
お金や利権、知識なんかを街に譲渡するの。

たおやかな自由市民 : 代わりに、何不自由なく暮らせるくらいの金銭や物資が、
街から支給されるようになるわ。

たおやかな自由市民 : そうすることで、お金をやりくりする不安や、
他人と優劣をつけることから解放される。
もう、誰も傷つけあうことはないわ。

たおやかな自由市民 : ……それじゃあ、私は彼と買い物の続きを楽しもうかしら。
ハンカチのお礼に、何かプレゼントしなくてはね。
伝言を頼まれてくれたあなたにも……はい!

漆黒のヴィランズ メインクエスト『最後の歓楽都市』

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アルフィノ : ついに、この街に……。

青い衣の道化師 : こうして真下から見ると、大迫力でしょ!

赤い衣の道化師 : ようこそ、ボクらのユールモアへ!
どうかな? 感動した? 泣いてもいいよ?
えっ、泣かない? そっかー。

赤い衣の道化師 : ……何はともあれ、まずは移住の手続きからだ!
話は通しておいてあげるから、
キミたちはまっすぐ進んで、ジョイアスホールへ。

赤い衣の道化師 : 通路の左手側、一番手前の部屋が「入国審査室」さ。
そこで名前と仕事を言えば、あとのことを教えてくれるよ。

赤い衣の道化師 : ああそうそう、この道の両脇にいる人たちは、
ゲートタウンの民と同じ……
建物の中に入る権利を、まだ持ってないんだ。

赤い衣の道化師 : 余計なやっかみを受けたくなかったら、
まっすぐにホールを目指すことだね。
……それじゃ、輝かしき楽園暮らしを!

アルフィノ : ……ひとまずは、既定の流れに従ってみよう。
ええと、「入国審査室」だったね。


入国審査室の役人 : ユールモアへようこそ、幸運な方々。
お名前をいただいても?

アルフィノ : 画家のアルフィノと、
助手のCloです。

入国審査室の役人 : 承知しました。
お話は伺っておりますので、審査は通過といたします。
続けて、登録用の書類を作成いたしますね。

入国審査室の役人 : ここユールモアには、
元首によって認可された「自由市民」と、
彼らのために働く「労役市民」がいます。

入国審査室の役人 : あなた方は労役市民として登録され、
まず、画家の求人を出した自由市民の方に、
お仕えすることになります。

入国審査室の役人 : もし任を解かれるようなことになれば、別の方にお仕えするか、
街全体のために働くことになるでしょう。

アルフィノ : ……わかりました。
ちなみに、画家をご所望になられたのは、
どのようなお方なのですか?

入国審査室の役人 : ミステル族の名士、チャイ・ヌズ様と、
その奥様であるドゥリア・チャイ様ですね。
皆さん「チャイ夫妻」とお呼びになっていますよ。

入国審査室の役人 : おふたりとも優しい方ですが、あなた自身の未来のためにも、
粗相のないようにお願いしますね。

入国審査室の役人 : それでは、そのままで少々お待ちを。

入国審査室の役人 : お待たせいたしました。
こちらが、おふたりの登録用の書類です。

入国審査室の役人 : その書類を、隣の部屋……
「新民登録室」の受付に提出してください。
印がもらえれば、登録完了です。

入国審査室の役人 : おふたりにも、輝かしき楽園の暮らしが与えられんことを!

新民登録室の役人 : はいはい、「新民登録室」はこちらですよん。
書類は持ってきたかな?

新民登録室の役人 : 画家のアルフィノと、助手のClo。
雇用主は、チャイ夫妻ね……。

新民登録室の役人 : りょーかいりょーかい!
特に問題もなさそうなので、印を押すね。

新民登録室の役人 : じゃあ、さっそく夫妻のところに…………

新民登録室の役人 : うん……?
おやおやおやぁ……?

新民登録室の役人 : あなたたち、なんか、ちょっと…………変なにおい!

新民登録室の役人 : うへぇー……いったいどこ歩いてきたのさ?
嗅ぎなれない土地のにおいと……そこはかとない獣臭……!
まるで歴戦の賞金稼ぎみたい!

新民登録室の役人 : もー、隣に「洗民室」っていうシャワールームがあるから、
すみずみまでゴシゴシ洗い流してきてよ。
どのシャワーを使ってくれてもいいからね。

新民登録室の役人 : それから、はい、「労役市民用の香水」だよ。
洗い終わった自分の体に、シャバシャバっとかけること!

新民登録室の役人 : それがすんだら、チャイ夫妻のところに行っていいよ。
詳しい場所は、階段前の「コルネン」って番兵に聞いてね。

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アルフィノ : …………そんなに、におうだろうか。

アルフィノ : この中でシャワーを……?
こ、個室ではないんだね……。

アルフィノ : あ、ああ……。
君はもう終わったのか……そうか……。

アルフィノ : ええと、その……いいのだろうか……?
こんな……個室でもない、開放的な場所でシャワーなど……。

エスティニアンが呆れるぞ

アルフィノ : …………!
い、急いで行ってくる!

アルフィノ : ふぅ……。
待たせたね、こちらも準備は万全だ。
とてもさっぱりした気がするよ。

アルフィノ : さあ、チャイ夫妻に会いに行こう。
場所は、番兵の「コルネン」に聞けばいいのだったね。

ジョイスフォート : 商人じゃない労役市民が、交易倉庫になんの用だ?
もし、ドンのための交易品にお手つきをしようものなら……
背筋も凍るような恐ろしい目に合うぜ。

アイレナ : ちょっと、貴重な交易品に触れないでおくれよ?
ここに置いてある品々は、みーんな、
あたしたち労役市民には縁のないものさ。

テマニー : こちらでは、
自由市民の方々に需要のある品を、開示しております。
納品の報酬は、メオルや自由市民の不用品でお支払いします。

チェイ・ラッド : 自由市民の不用品がほしいなら、
代わりに、それなりのものを持ってきてもらわないと。
いま需要があるのは……果実や干し肉、真珠なんかかな。

ファサーナ : 労役市民の中には読み書きができない者もおりますので……
わたくしが、お手伝いさせていただいております。

ファサーナ : 読み書きや言葉遣いは、前の主人が教えてくださいました。
とてもお優しい方でしたが、一足先に天へ召され……。
今はこうして、都市へお仕えしているのです。

ユーリッグ : この先は、労役市民の登録室だよ。
召使いによさそうな者がいたら、青田買いするのが、
賢い自由市民ってものさ。

ララスムド : ごくたまにだが……
ユールモアに招かれたと偽って、入ってくる者たちもいるからな。
この都市の平穏のために、警備は怠れん。

ドッダーナ : ドンの寛大な御心のおかげで、私たち労役市民は、
この都市の運営という大役の一端を、
担わせていただいているのです。

入国審査室の役人 : ユールモアへようこそ、幸運な方々。
……おや、あなたに審査は必要ではありませんよ?

新民登録室の役人 : あっ、いい匂い~!

チュー・ズム : 俺もついに、ユールモア市民になれるんだ……!
やべぇよ、嬉しすぎて震えがとまんねぇ……!

コルネン : 何、チャイ夫妻に雇われただと?
ふむ……まずもって、この建物には、
大きく分けて3つの層があるのだ。

コルネン : 今いるのが「樹根の層」。
その上が、軍の司令本部がある「樹幹の層」。
さらに上が、自由市民がお過ごしになる「樹梢の層」だ。

コルネン : チャイ夫妻は、「樹梢の層」にある、
「グランドデイム・パーラー」にいらっしゃるはずだ。
ともかく、階段を一番上まで登ってみることだな!

チャイ・ヌズ : うん……?
何だ、お前は……。

ドゥリア・チャイ : あら、あなたは……?

アルフィノ : お初にお目にかかります。
画家をお探しのチャイ夫妻でいらっしゃいますか?

チャイ・ヌズ : おお、ではお前たちが新しい……

ドゥリア・チャイ : まあまあまあ!
なんってかわいい男の子なの!

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ドゥリア・チャイ : ふわふわの髪に、お上品なお顔立ち……
それに、なんだかお花のいい香りもするわぁ~!

ドゥリア・チャイ : あなた!
わたし、この子が一目で気に入っちゃった!
きっと……ううん、絶対に素敵な絵を描いてくれるわ!

チャイ・ヌズ : う、うむ……。
先日手放した、あの下手で陰気な画家よりは、
マシだといいんだが……。

ドゥリア・チャイ : それじゃあ、改めてよろしくね。
ええと……

アルフィノ : アルフィノと申します、奥様、旦那様。
こちらの助手ともども、よろしくお願いいたします。

チャイ・ヌズ : ふむ……。
雇われる際に家族を伴ってくる奴はいるが、
その年で助手を連れているとは、珍しいな?

アルフィノ : 実際、家族のようなものです。
血こそ繋がってはおりませんが、
私がつらいときには、必ずそばにいてくれました。

アルフィノ : そして、誰よりも私の絵を理解してくれています。
彼とともに仕上げてこそ、
私の絵は、ご夫妻にふさわしいものとなるでしょう。

アルフィノ : ……しかし、絵の描き始めにかぎれば、働くべきは私だけです。

アルフィノ : そこで、その……もしよろしければ、
助手には街の見学をお許しいただけないでしょうか?

アルフィノ : これまで私を支えてくれた礼に、
憧れのユールモアを、いち早く見せてやりたいのです。

ドゥリア・チャイ : まあ、なんていい子たちなんでしょう!
そういうことなら、存分に見学をしてらっしゃいな!

ドゥリア・チャイ : ……いいわよね、あなた?
チャイ・ヌズ : あ、ああ……まあ……お前がそう言うなら……。